鼠咬症(Rat-Bite Fever)、1996−米国・ニューメキシコ州

鼠咬症とは、鼠属による咬傷、掻き傷、鼠の排泄物により汚染した水、食品からStreptobacillus moniliformisが感染して起こる全身性細菌性疾患である。米国では頻度は非常に少ないが、1996年8月に15歳男児での感染例が報告された。患者は3日間の不規則な回帰発熱、悪寒戦慄、筋肉痛、吐気、嘔吐により7月29日近医を来診した。白血球数は 8,000(好中球46%、桿状核好中球47%)にて敗血症が疑われ、セフロキシムとゲンタマイシン静注の後、経口第二世代セフェムにより治療された。再発はみられなかった。血液培養より、培養7日目にグラム陰性桿菌が分離され、S.moniliformisと同定された。

感染様式と危険因子を検討するために疫学調査を行ったところ、患者の所属する野球チームのメンバーの1人が同様の症状を呈していたことが判明した。この患者は咽頭炎としてアモキシシリン3日間経口投与を受けたが、その後再発し、再度アモキシシリンを7日間投与され軽快した。血液培養は5日間培養されたが陰性であった。

2人は発症1カ月前に野球の試合の旅行に2回参加しており、いずれもモーテルに泊まったが、キャンプ、野宿はしておらず、齧歯類、野生動物との接触、虫刺症もなかった。しかし2人は一緒に遊んでおり、同じ犬に嘗められた経験があった。また、2人は発症3〜4日前にニューメキシコのファーミントンの野球場で潅漑用水路の水を飲んでいたことがわかった。その他のチームメンバー、コーチで潅漑用水路の水を飲んだ者は認められず、同様の疾患の発症も見られなかった。
(CDC 、MMWR、47、No.5、89、1998)

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