来シーズン(1998/99)用インフルエンザワクチン推奨株−WHO

今シーズン(1997/98)も、前年に続いてインフルエンザA(H3N2)、 A(H1N1)、 B型ウイルスが広範囲に存在した。さらに香港では、 A(H5N1)型が分離された。

A(H3N2)型は多くの国で集団発生・散発例から分離された。当初はワクチン株であるA/Wuhan/359/95に抗原性の近いウイルスが分離されたが、その後A/Sydney/5/97に近い株の分離が多くなった。A/Wuhan/359/95類似株を含む今シーズンのワクチンは、A/Sydney/5/97に対するHI抗体を作ったが力価は低かった。

A(H1N1)型も多くの国で分離され、その大部分の抗原性はワクチン株であるA/Bayern/7/95に近似していた。中国および他のいくつかの国ではA/Beijing/262/95類似株が分離された。A/Bayern/7/95類似株を含む今シーズンのワクチンは、A/Beijing/262/95類似株に対するHI抗体を作ったが力価は低かった。

B型はアフリカ、南北アメリカ、アジア、ヨーロッパで散発例から分離され、抗原性はワクチン株であるB/Beijing/184/93類似株に近似していた[中国と日本では B/Beijing/243/97類似株(B/Victoria/2/87類似株)が分離された]。

以上のことから、来シーズン(1998/99)用ワクチンとして次の株が推奨される。
 ・A/Sydney/5/97(H3N2)類似株
 ・A/Beijing/262/95(H1N1)類似株
 ・B/Beijing/184/93類似株(最も広く使用されているワクチン株は B/Harbin/7/94)

(WHO、 WER、 73、 No.9、 56、 1998)

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