卵料理摂食によるSalmonellaEnteritidis腸炎集団発生−鹿児島県

1997年に鹿児島県内で発生した食中毒は23件で、原因物質が判明した18件のうち9件がSalmonella Enteritidis(SE)であった。

10月2日にA市旅館での喫食者367人中78人が下痢、発熱等を訴え、引きつづき10月4日に隣りのB町の社会福祉施設で喫食した50人中10人が同様の症状を訴えた。この2件の食中毒の患者便からSEが検出された。また、上記A市旅館の卵料理からも同菌が検出された。これらの菌のファージ型は国立感染研の検査ではいずれも4型であった。

両件とも料理の中に卵料理が含まれており、それぞれの卵の溯り調査を行ったところ同一の生産者であった。この生産者からの卵10個の殻および中身を検査したところ、1個の中身からSEが検出され、そのファージ型も4型であった。

その後、12月2日同じA市の飲食店で食事した16人中12人が下痢、発熱等の症状を示す事件が発生し、患者便からSE ファージ4型菌が検出され、料理の中に上記生産者の卵を用いたものがあった。このようなことから、家畜保健衛生所が当該養鶏場の新鮮卵90検体、糞便90検体等合計227検体について検査を実施した。しかし、いずれからもSEは検出されなかった。

鹿児島県衛生研究所 平川浩資 上野伸広

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