<速報>9月下旬のエコーウイルス9型の分離−青森県

1997年9月、当センターでは、むつ総合病院から搬入された無菌性髄膜炎患者3名の咽頭ぬぐい液(3)・髄液(1)4検体のうち、9月22日発病した患者の咽頭ぬぐい液から、さらに八戸市立市民病院の9月25日発病した患者1名の便、髄液からそれぞれエコーウイルス9型(E9)を分離した。これら患者の主症状は発熱38.0℃以上、髄膜炎であった。ウイルス分離にはRD、HeLa、Vero細胞を用い、強い感受性を示したVero細胞よりウイルスを分離した。同定はエンテロウイルスレファレンスセンター(福島県衛生公害研究所)分与エンテロプール血清、市販単味血清を用いて、中和試験により行った。

一方、この時期(1997年9月)の青森県感染症サーベイランス情報によると、青森、八戸、むつの3市患者定点から11名の無菌性髄膜炎患者が報告されており、その年齢は0歳3名、2歳1名、3歳2名、4歳1名、5〜9歳3名、15〜19歳1名であった。9月下旬のE9による無菌性髄膜炎患者の発生は本県では散発的であると推測されるが、東北地区においては遅い患者発生である。

青森県環境保健センター 三上稔之 佐藤 孝
むつ総合病院小児科   佐々木伸也
八戸市立市民病院小児科 田名部宗之

今月の表紙へ戻る


Return to the IASR HomePage
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp

ホームへ戻る