<速報>コクサッキーウイルスA6型の分離−千葉県

本月報Vol.18、No.9によると、前年多数分離されたコクサッキーウイルスA6型(CA6)が今年はほとんど分離されていない。本県では、5月、6月に県内2医療機関から集められた咽頭ぬぐい液よりCA6を5株分離した。分離された患者の臨床診断名は、すべて上気道炎であり、うち1名は結膜炎もみられた。発熱はすべての患者にみられ38.0〜39.8℃であった。

分離は、CaCo-2、 Vero、 HeLa、 MDCK細胞および生後48時間以内の乳のみマウスを用いて行い、分離された5検体は、すべて乳のみマウスのみで分離した。

千葉県では、CA6を1995年にヘルパンギーナから3株、96年に手足口病から1株、同様にマウスで分離しているが、いずれも接種後3〜4日で発症した。しかし、今回分離した検体は、発症が弱く接種後4日目に軽い痙攣がみられたが、耐過し回復した。そのため、再度検体を接種し軽い痙攣がみられた時点で2代目に継代したところ、明らかな発症が認められた。この時点の検体で、補体結合試験(CF試験)を実施した。初代で耐過回復した検体についても同時にCF試験を実施したが、これについては同定不能であった。このことから、注意深い観察と適切な時期に採取し継代することが重要だと思われた。

千葉県衛生研究所
小川知子 山中隆也 篠崎邦子
時枝正吉 水口康雄
岸本医院 岸本圭司
国立療養所下志津病院 青柳正彦

今月の表紙へ戻る


Return to the IASR HomePage
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp

ホームへ戻る