百日咳の急増、1996−オランダ

1996年にオランダで百日咳の急増が認められた。1989年〜1995年までの間に報告された患者発生数は年間164〜536例であったが、1996年は2,771例に達した。罹患者の百日咳ワクチン歴を調査した結果、患者はワクチンの接種・非接種にかかわらず発生していることが示された。この百日咳急増の原因に、1)ワクチン接種率の低下、2)ワクチン品質の低下、3)Haemophilus influenzae type b (Hib)ワクチン接種による百日咳ワクチンに対する免疫応答の低下、4)ワクチン株と抗原性を異にする百日咳菌の流行、5)これら要因の複合等が考えられたが、調査の結果、上記1)、2)、3)の可能性は除外された(幼児のワクチン接種率は96%)。明確な急増原因は不明であるが、ワクチン株と異なった抗原性を有する百日咳菌が流行している可能性があり、今後、流行する百日咳菌に対する研究が必要である。

(CDC、EID、3、No.2、175、1997)

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