<速報>エコーウイルス30型による髄膜炎の流行−福島県

1997年6月下旬以降、須賀川市の1幼稚園に端を発した髄膜炎の流行が発生し、当研究所への髄膜炎関連検査依頼件数は8月8日現在、96症例(290件)に達している。そのうち、エコーウイルス30型が、現在までに57症例118株(咽頭ぬぐい液41株、便51株、髄液26株)から分離されたのでその概要を報告する。

ウイルスの分離にはRD-18S、HEp-2、Vero、MDCKの4種の細胞を用いたが、エコー30型はRD-18S細胞が最も良く、他にVero細胞に弱い CPEを示すものも数株みられた。同定は国立感染症研究所とエンテロレファレンスセンターで作製したEP95と単味の抗血清(1991年秋田県衛生科学研究所より分与)による中和試験により行なった。なお、デンカ生研の単味抗血清では、同定不能であった。

分離陽性者33例の臨床診断名は、すべて髄膜炎(細菌性1例を含む)であった。主な臨床症状は、発熱97%、頭痛84%、咽頭発赤39%、悪心・嘔吐83%、項部硬直およびケルニッヒ徴候などの髄膜刺激症状が90%であり、数日の経過で軽快している。

年齢分布は1カ月〜14歳と広い範囲にわたっているが、4〜6歳が25例(44%)と最も多く、次いで0〜3歳が18例(32%)、7〜9歳が9例(16%)、10歳以上が5例(8.8%)であった。なお、この中には家族内感染をうかがわせる症例が8組含まれている。

本県においては、エコー30型の流行は1986年および1991年に次いで3度目となったが、今回の流行の規模は、現在も患者発生が他の地域に拡がりつつあり、過去の流行を上回るものではないかと推測する。また、これは他の地域であるが、エコー9型が急性咽頭炎および扁桃炎の5症例より分離されている。この型については岩手県などからの報告もあり、この型についても今後、警戒していきたい。

福島県衛生公害研究所ウイルス科
猪狩浩周 土屋ミサ子 三川正秀 平沢恭子 鈴木サヨ子 氏家悦男

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