国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ
WHO発表の症例数(累計) update 61(原文)
6 August 2009
更新履歴
地域名 確定例 死亡例
WHOアフリカ地域 (AFRO) 591 1
WHOアメリカ地域 (AMRO) 102,905 1,274
WHO東地中海地域 (EMRO) 2,346 7
WHOヨーロッパ地域 (EURO) 32,000以上 53
WHO東南アジア地域 (SEARO) 11,432 83
WHO西太平洋地域 (WPRO) 28,120 43
総計 177,457 1,462
 
update 61
 前回の更新(更新60)以降、8月6日までに、新型インフルエンザの初発患者を報告した国や地域は以下の通りである。
 東チモール、パキスタン、キリバス、モルディブ、フランス領ギアナ、フォークランド諸島、ウォリス・フツナ
※各地域における更新情報については下記のページをご覧ください
WHOアフリカ地域(AFRO:Regional Office for Africa)
WHOアメリカ地域(AMRO:Regional Office for the Americas)
WHO東地中海地域(EMRO:Regional Office for the Eastern Mediterranean)
WHOヨーロッパ地域(EURO:Regional Office for Europe)
WHO東南アジア地域(SEARO:Regional Office for South-East Asia)
WHO西太平洋地域(WPRO:Regional Office for the Western Pacific)

世界の最新疫学情報と南半球の冬季インフルエンザシーズンのプレリミナリーな概要(2009年8月6日)

 新型インフルエンザH1N1は、これまでに170の国と地域から報告されている。症例報告数が実際の病気の発生を反映していない期間であっても、WHOは活発にWHO Regional Officesと加盟国との緊密に連絡を取り合い世界的流行の進捗をモニターしています。

 現在の注目すべき点は、現在冬季に突入している南半球の温暖な地域の国々の状況です。南半球の今シーズンにおいて、南アフリカを除き、パンデミックH1N1は南半球の主な地域の支配的なインフルエンザウイルスです。オーストラリアと南米の多くの国々では、冬季の初期からパンデミックインフルエンザの症例が急速に増加しています。これらの地域では、現在、入院や病院を受診する人々の数が減少を報告し始めています。初期に患者発生が顕著でなかった地域などに移行し、ウイルスはこれらの地域では依然として流行していますが、全体として患者発生は下降に向かっています。対照的に南アフリカでは、初期の季節性インフルエンザの流行はインフルエンザA(H3N2)です。南アフリカの今シーズンのインフルエンザの流行は、6月初旬から中旬にピークに達しその後減少し始め、現在はパンデミックインフルエンザH1N1が増加し、これらの地域の主要なサブタイプになりつつあります。

 北アメリカとヨーロッパの国々を含む、パンデミックH1N1の流行の初期を経験した北半球の温帯地域では、ウイルスが新しい地域に拡大し、地域流行を引き起こしています。しかしながら、アメリカ大陸では、全体として減少傾向にあります。

 熱帯地域では、例年、年間を通して複数回のピークと流行を経験しますが、現在、例えば、中米や南米、また、南アジアや東南アジアでは症例数の増加が認められています。

 要約すると、南アフリカを除き、世界的な感染状況の全体像は、南半球の温帯地域では減少傾向にあります。これらの地域では、通常のインフルエンザシーズンに見られるように呼吸器疾患患者数の急激な増加と減少に特徴づけられています。これらの地域における症例の重症化の比率の影響と重要性、医療体制への負担は現在もなお評価中だが、基本的には、多くの場面で入院期間に呼吸管理を必要とする状況は通常のインフルエンザシーズンよりも若干悪化が認められている。北半球では、依然としてウイルスの拡大が認められているが、初期にパンデミックの影響を受けた地域では、ウイルスの活動が低下していることが観察されている。世界の熱帯地域では、通常のインフルエンザシーズンの現れる時期に患者数の上昇を今経験している。現在、世界の多くの地域でパンデミックH1N1インフルエンザウイルスが主要な株となっているため、北半球のこの冬に来るインフルエンザシーズンでもパンデミックH1N1インフルエンザウイルスの流行が継続すると予想される。加えて、アジアやアフリカでは地域感染が発生することにより、人口密集地域では一層のウイルス拡大のリスクが存在する。

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