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高病原性鳥インフルエンザ
パンデミック(H1N1)2009 - 更新 76
2009年11月27日 WHO (原文)

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update 76

2009年11月22日現在、世界で207以上の国、自治領、地域から、7820症例以上の死亡例を含む、実験室診断により確定されたパンデミックインフルエンザ(H1N1)2009の感染症例が報告されている。

世界各国が、特に軽症例について全例報告を中止しているため、実際に起こっている感染症例数よりも、報告数ははるかに低くなっていると思われる。WHOはWHOの地域事務所や加盟国と連絡を密に取り、複数のデータをモニタリングして、パンデミックインフルエンザの流行状況を監視している。

Situation update:

北半球の温帯地域では、例年より早く到来したインフルエンザシーズンの流行は北米やヨーロッパの一部で引き続き活発に続いている。北米やカリブ海諸国、特定のヨーロッパの国々では流行のピークが過ぎたような兆しが認められている。

アメリカやカナダでは、インフルエンザの感染は広範囲で活発に起こっている。アメリカでは、全国でインフルエンザの活動がピークを迎えている。カナダでは流行具合は変わらないが、入院例や死亡例の報告が増加している。ほとんどのカリブ海諸国ではILIやSARIの流行レベルは低下してきている。

ヨーロッパでは、パンデミックウイルスの感染拡大は大陸のほぼ全域で起こっており、過去数週間ILIの流行レベルが増加していなかった国でもILI患者の急激な増加を認めている。スウェーデン、ノルウェー、モルドバ、イタリアで非常に活動レベルが高いことを示す値が報告されている。ヨーロッパで株型を調査した検体の99%以上がパンデミック(H1N1)2009ウイルスであった。アルベニアやモルドバでは、医療機関への深刻な影響が出ている。ベルギー、ブルガリア、ベルルーシ、アイルランド、ルクセンブルク、ノルウェー、ウクライナ、アイスランドなどの国々では、流行のピークが過ぎたようである。

東アジアでは、インフルエンザの感染拡大は依然活発に起こっている。モンゴルでは、強いインフルエンザの流行が認められているが、ピークは既に過ぎたようである。日本では、インフルエンザの流行はわずかに増加しているが、人口の多い都市圏では活動は減少しているようである。

インド、ネパール、スリランカでのILIの流行は増加している。

アメリカ大陸、アジアの熱帯地域では、インフルエンザの活動は様々であるが、ほとんどの国では下火になってきている。中央、南アメリカではエクアドル、ベネズエラを除くほとんどの国でインフルエンザの流行は減少傾向であると報告している。

南半球の温帯地域では、パンデミックインフルエンザの流行はほとんど報告されていない。



地域名 累積総数
2009年11月22日まで
症例数 死亡例
WHOアフリカ地域 (AFRO) 15,5030 104
WHOアメリカ地域 (AMRO) 190,765 5,360
WHO東地中海地域 (EMRO) 38,3591 330
WHOヨーロッパ地域 (EURO) 154,000以上 少なくとも650
WHO東南アジア地域 (SEARO) 47,059 738
WHO西太平洋地域 (WPRO) 176,796 644
総計 622,482以上 少なくとも 7,826
 

※各地域における更新情報については下記のページをご覧ください
WHOアフリカ地域(AFRO:Regional Office for Africa)
WHOアメリカ地域(AMRO:Regional Office for the Americas)
WHO東地中海地域(EMRO:Regional Office for the Eastern Mediterranean)
WHOヨーロッパ地域(EURO:Regional Office for Europe)
WHO東南アジア地域(SEARO:Regional Office for South-East Asia)
WHO西太平洋地域(WPRO:Regional Office for the Western Pacific)
(2009/12/10 IDSC 更新)
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