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高病原性鳥インフルエンザ
パンデミック(H1N1)2009 - 更新 71
2009年10月23日 WHO (原文)
更新履歴
update 71
 
2009年10月17日現在、世界中で41万4千人を超える実験室診断で確定したパンデミックインフルエンザH1N1 2009感染者と5千人を超える死者がWHOに報告されている。

多くの国々が全数報告を中止しており、患者数、特に軽症例の数は実際よりも少なく報告されていると考えられる。WHOは、パンデミックの状況をWHO地域事務局および加盟国と頻繁に連絡を取り合いながら、また、さまざまなデータを介して積極的に監視している。

新たな流行

今週に入り、モンゴル、ルワンダ、サオトメとプリンシプルが初めてパンデミックインフルエンザの患者を報告した。

アイスランド、スーダン、トリニダド・トーゴが最初の死亡例を報告した。

最新の状況

全体的に、北半球でのインフルエンザの流行は先週と大きく変わっていないが、呼吸器疾患の患者発生地域は拡大し、継続して増加している。北米地域では、アメリカにおけるインフルエンザ様疾患(ILI)の発症率が例年に比べはるかに高く、提出される検体のうち、パンデミックH1N1 2009ウイルスの占める割合も高くなっている(提出された検体のうち29%がインフルエンザA陽性であり、亜型の判明したすべてがパンデミックH1N1 2009ウイルスであった。カナダも4週連続でILI発症率が上昇しているが、最もインフルエンザの活動が高いのはブリティッシュコロンビア州の西部である。メキシコも国の一部の地域でインフルエンザの感染が拡大していると報告している。ヨーロッパの国々では、インフルエンザの流行は低いが、ベルギー、イスラエル、オランダ、ノルウェー、イギリスの一部ではILI/ARI (Acute respiratory infections; 急性呼吸器感染症)の割合が例年より高い。また、これらの国ではインフルエンザウイルスの検出率も高くなっており、インフルエンザシーズンが例年より早く始まっているのかもしれない。東欧と北アジア地域では呼吸器疾患が多くなっているが、例年のインフルエンザシーズンのレベルにまでは達していない(ただし、これらの地域では、ベースラインデータの無いところが多い)。注目すべきは、アジア地域におけるインフルエンザA(H3N2)の割合は、東アジア地域を除き、パンデミックH1N1 2009ウイルスの検出数の増加に伴って減少している。現在、唯一東アジアでかなりの数のインフルエンザA(H3N2)の分離が報告されている。

世界の熱帯地域では、発症率は一部の地域を除き減少傾向にある。キューバ、コロンビア、エルサルバドルはアメリカ熱帯地域で発症率の増加を認めている。今週報告を行なったアジア熱帯地域の国では、呼吸器疾患の発症率は低下している。

先週の南半球の温帯地域におけるパンデミックインフルエンザの流行に関して、特記すべきことはなかった。

地域名 累積総数
2009年10月18日まで
症例数 死亡例
WHOアフリカ地域 (AFRO) 13,297 75
WHOアメリカ地域 (AMRO) 160,129 3539
WHO東地中海地域 (EMRO) 14,739 96
WHOヨーロッパ地域 (EURO) 63,000以上 少なくとも261
WHO東南アジア地域 (SEARO) 41,513 573
WHO西太平洋地域 (WPRO) 122,267 455
総計 414,945以上 少なくとも 4,999
 

※各地域における更新情報については下記のページをご覧ください
WHOアフリカ地域(AFRO:Regional Office for Africa)
WHOアメリカ地域(AMRO:Regional Office for the Americas)
WHO東地中海地域(EMRO:Regional Office for the Eastern Mediterranean)
WHOヨーロッパ地域(EURO:Regional Office for Europe)
WHO東南アジア地域(SEARO:Regional Office for South-East Asia)
WHO西太平洋地域(WPRO:Regional Office for the Western Pacific)
(2009/10/29 IDSC 更新)
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