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高病原性鳥インフルエンザ
パンデミック(H1N1)2009 - 更新 67
2009年9月25日 WHO (原文)
更新履歴
update 67
 2009年9月20日現在、世界191の国と地域からWHOへ30万例を超える実験室診断によるパンデミックインフルエンザ感染例と3917例の死亡者が報告されている。

 より多くの国々が、症例報告、特に軽症例の報告を中止しているため、報告数は明らかに実際の症例数よりも低くなっている。報告数が実際の疾患の流行を反映しない状況の中でも、WHOは地域事務局や協力機関と連絡を取り、また複数の情報源をモニタリングすることにより、パンデミックの進行を積極的に追跡している。

 北半球の温帯地域では、多くの地域でインフルエンザ様疾患の流行が引き続き増加している。北米では、アメリカが、この2〜3週間、最初は南東部、現在は中西部から北東部にかけて季節のベースラインよりもインフルエンザの流行レベルが高いと報告している。ヨーロッパと中央および西アジアでは、イギリスが北アイルランドおよびスコットランド地域において通常よりもインフルエンザ様疾患の流行が高いと報告しており、オランダ、フランス、アイルランドおよびイスラエルでは、季節のベースラインを上回っていると報告している。日本では、引き続き例年の流行よりやや高いレベルでの状態が続いている。インフルエンザ様疾患流行レベルの上昇と、実験室にてパンデミックインフルエンザ(H1N1)2009が検出される割合の増加は、これらのほとんどの地域で見られる現象である。

 アメリカ大陸およびアジアの熱帯地域では、インフルエンザの流行は引き続き様々である。インドの一部やバングラディッシュ、カンボジアでは、インフルエンザの流行拡大は引き続き認められるが、インドネシア、シンガポール、タイといった東南アジアの他の国々では、流行が減少していると報告している。アメリカ大陸のほとんどの熱帯地域の国々でインフルエンザの地域流行、あるいは広範囲に広がっているとの報告が届いているが、呼吸器疾患の流行パターンとの関連性は認められていない。ペルーとメキシコは地域流行の増加を報告しているが、ボリビア、ベネズエラ、ブラジルといったほとんどの国で流行は横ばい、あるいは減少傾向であると報告している。

 南半球の温帯地域では、ほとんどベースラインに戻った国々(チリ、アルゼンチン、ニュージーランド)か、減少傾向の国々(オーストライリア、南アフリカ)である。

 これまで解析された全てのパンデミック(H1N1)2009 インフルエンザウイルスは、抗原的にも、遺伝子的にもパンデミック(H1N1)2009 インフルエンザウイルス(A/California/7/2009-like)に類似している。実験室サーベイランスの詳細データは実験室サーベイランス更新情報を参照のこと。
地域名 累積総数
2009年9月20日まで
症例数 死亡例
WHOアフリカ地域 (AFRO) 8,264 41
WHOアメリカ地域 (AMRO) 130,448 2,948
WHO東地中海地域 (EMRO) 11,621 72
WHOヨーロッパ地域 (EURO) 少なくとも 53,000 154 以上
WHO東南アジア地域 (SEARO) 30,293 340
WHO西太平洋地域 (WPRO) 85,299 362
総計 少なくとも 318,925 3917 以上
 

※各地域における更新情報については下記のページをご覧ください
WHOアフリカ地域(AFRO:Regional Office for Africa)
WHOアメリカ地域(AMRO:Regional Office for the Americas)
WHO東地中海地域(EMRO:Regional Office for the Eastern Mediterranean)
WHOヨーロッパ地域(EURO:Regional Office for Europe)
WHO東南アジア地域(SEARO:Regional Office for South-East Asia)
WHO西太平洋地域(WPRO:Regional Office for the Western Pacific)
(2009/9/29 IDSC 更新)
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