国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ
パンデミック(H1N1)2009 - 更新 64
2009年9月4日 WHO (原文)
更新履歴
update 64
 
インド、バングラデッシュ、ミャンマー、タイ、カンボジア、スリランカ、インドネシアに代表されるような、南および東南アジアの熱帯地域では、引き続きインフルエンザの地域的流行は続いている。この地域の多くの国々は、呼吸器疾患患者の報告数が上昇しているかもしくは高いレベルで維持されており、タイ、ブルネイといった限られた地域でのみ報告数の減少が始まっている。

コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、パナマ、キューバといった中米の熱帯地域の国々でも、インフルエンザの流行は地域内で継続もしくは広がっているが、現在は呼吸器疾患患者の報告数はほとんどの国で減少している。

エクアドル、ベネズエラ、ペルー、ブラジルの一部といった南米の赤道付近、および熱帯地域の国々では、インフルエンザの流行が維持されているか広がっており、呼吸器疾患患者の報告数が多くなっている。

チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランドといった南半球の温帯地域の多くの国々では、インフルエンザの冬季の流行のピークは過ぎたが、南アフリカ、オーストラリアの南部や西部ではインフルエンザの流行が引き続き継続している。

 北半球の温帯地域では、インフルエンザの流行の様相は地域によって差が認められており、日本では、定点あたりの報告数が季節性インフルエンザにおいて流行を示す目安を超え、通常の年よりも早くインフルエンザの流行期がはじまったことを示している。カナダとアメリカでは、インフルエンザの流行は全体として低い状態だが、アメリカ南東部では地域的な流行の上昇が認められている。ヨーロッパと中央および西アジアでは、インフルエンザの流行はほとんど報告されていないが、オーストリアとイスラエルでは地域的なインフルエンザの流行が、オランダとルーマニアでは呼吸器疾患患者数の上昇傾向が認められている。

 パンデミック(H1N1)インフルエンザウイルスが、北半球、南半球ともに、検出される株のほとんどを占めている。現在のところ、調べられているパンデミック(H1N1)2009 インフルエンザウイルスは、抗原的にも、遺伝子的にもパンデミック(H1N1)2009 インフルエンザウイルス(A/California/7/2009-like)に類似している。実験室サーベイランスのデータは原文リンクを参照のこと。
地域名 累積総数
2009年8月30日まで
症例数* 死亡例
WHOアフリカ地域 (AFRO) 3872 11
WHOアメリカ地域 (AMRO) 116046 2234
WHO東地中海地域 (EMRO) 5031 21
WHOヨーロッパ地域 (EURO) 46000以上 少なくとも104
WHO東南アジア地域 (SEARO) 19362 188
WHO西太平洋地域 (WPRO) 63895 279
総計 254206以上 少なくとも2837
 

※各地域における更新情報については下記のページをご覧ください
WHOアフリカ地域(AFRO:Regional Office for Africa)
WHOアメリカ地域(AMRO:Regional Office for the Americas)
WHO東地中海地域(EMRO:Regional Office for the Eastern Mediterranean)
WHOヨーロッパ地域(EURO:Regional Office for Europe)
WHO東南アジア地域(SEARO:Regional Office for South-East Asia)
WHO西太平洋地域(WPRO:Regional Office for the Western Pacific)
(2009/9/10 IDSC 更新)
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