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パンデミック(H1N1)2009




良くある質問
パンデミック(H1N1) 2009ワクチンの使用 原文
2009年10月30日

【ワクチンの使用】

ワクチンはどのように接種されますか?

いくつかのワクチンは、不活化された(死滅した)ウイルスを含んでいます。多くの人々において、これらのワクチンは上腕に注射により接種されます。乳児や小さな子供では、大腿部が接種部位として好まれます。

ワクチンのもう一つの種類としては生きたウイルスで作られているものもあり、経鼻的にスプレーで投与されます。

どちらもインフルエンザに対して防御的に働きます。

ワクチンは1回接種それとも2回接種?

予防接種の専門家は、成人と10歳以上の若年層においては1回のワクチン接種を推奨しており、これは監督官庁の考え方と一致しています。2回の接種が必要かもしれない免疫抑制状態にある人々に対する効果的な用量については、さらなる調査研究が求められています。国の機関が小児を早期接種の優先対象としているところでは、専門家は6か月以上10歳未満の小児に対して、まずは1回の接種を可能な限り多くの小児に行うことを推奨しています。接種回数に関する推奨は、新しいデータが明らかになり次第、適用される必要があるかもしれません。

不活化パンデミックワクチンを接種すべきでない人はいますか?

はい。一般的に、不活化ワクチンを接種すべきでないのは、以下の人々です。


  • ワクチンの何らかの成分、または微量の残留物に対して、アナフィラキシー(あるいは、過敏症状)や命にかかわるアレルギー反応を呈した既往のある人
  • 過去のインフルエンザワクチン接種において重い副反応を呈した既往のある人
  • インフルエンザワクチンを接種して6週間以内に、ギランバレー症候群(GBS)を発症したことのある人
  • 6か月未満の小児(不活化ワクチンはこれらの年齢層に対して認可されていません)
  • 発熱を伴う中程度から重症の疾患にかかっている人(回復してから接種してください)

製品に挿入されている添付文書に、特定のワクチン製品を接種すべきでない人についての情報が提供されています。

パンデミックインフルエンザワクチンは他のワクチンと同時に接種することはできますか? 季節性インフルエンザワクチンとはどうですか?

不活化ワクチンは、他の注射で投与するインフルエンザ以外のワクチンと同時に接種することが可能ですが、異なった部位に接種されるべきです。

世界的な予防接種専門家委員会によれば、季節性インフルエンザとパンデミックインフルエンザのワクチンは一緒に接種できますし、そうすることは公衆衛生上の価値があるとされています。ワクチン接種に関するこの分野に対する臨床研究が継続中です。

パンデミックインフルエンザワクチンを接種したいと思う人はどうしたらよいですか?

それぞれの国の保健分野を担当する機関が、国内の予防接種キャンペーンをどのように実施するかを決めることになります。彼らが、パンデミックインフルエンザワクチンが接種可能かどうか、また、どこでどのように接種可能かを最も良く知っているでしょう。

パンデミックインフルエンザワクチンは季節性インフルエンザの様なほかのインフルエンザウイルスに対しても防御効果がありますか?

パンデミックインフルエンザワクチンが、他のインフルエンザウイルスに対して防御的な効果を示すことは期待できません。

近年の季節性インフルエンザワクチンは、パンデミックウイルスを含んでいませんから、パンデミックインフルエンザと季節性インフルエンザに対する両方のワクチンを接種すべきです。近い将来、状況は変わり得るでしょう。

ワクチンそのものによって何らかの疾患にかかる危険性はありますか?

不活化ワクチンは、死滅したウイルス、あるいはウイルスの一部分を含んでいるだけですので、病気を引き起こしえません。生インフルエンザワクチンは、わずかに増殖する弱毒化したウイルスを含んでいますが、病気を起こすことはできません。

両方のワクチンとも、ワクチン接種と関連して、何らかのインフルエンザ様の副作用(筋肉痛、発熱など)を起こすことはありますが、その症状は一般的に長引かず、ずっと短い期間で終了します。

予防接種を受けたのにもかかわらず、インフルエンザにかかる人がいるのはなぜですか?

なぜ、ワクチン接種後にインフルエンザにかかってしまったと信じる人々がいるのかには、いくつかの理由があります。パンデミックインフルエンザワクチンも含めて、病気に対して100%の防御効果を示すワクチンなどありません。しかし、それらは病気の危険性を大幅に減少させます。また、インフルエンザワクチンは、接種後約14日程度してから効果が表れます。接種直前(1-3日前)や接種直後はまだその病気にかかり得ます。

予防接種を受けた人でも、異なる株のインフルエンザウイルスによって引き起こされるインフルエンザには、接種したワクチンが防御効果を示さないので、罹患します。

最後に、インフルエンザワクチンを受けた人が、インフルエンザではない別の一般的なウイルスにより引き起こされるような疾患にかかったのに、インフルエンザにかかったと誤解することもあります。これらの全ての要因により、結論が明確にならないまま、ワクチンが効かなかった、あるいはワクチンが病気を引き起こしたと信じる人がいるのです。




(2009/12/14 IDSC 更新)

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