国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ



インフルエンザA(H1N1)による流行状況−更新2

      2009年5月2日


2009年5月2日
感染症情報センター

 2009年5月2日午前8時30分(日本時間)現在、WHOからの発表情報、国際会議における情報、米国CDCからの発表情報、各国政府からの声明などから、以下に現状をまとめる。ただし、現時点では系統的に集められたデータに乏しく、記述的な情報も含まれるため、現時点での暫定的なまとめであり、今後科学的なデータがでるにつれて変化していくものである


疫学状況

 WHOによると、2009年5月2日午前8時30分(日本時間)現在、世界中で13カ国においてSwine-origin influenza A/H1N1感染の確定例367例が報告されており、メキシコ156 例、アメリカ合衆国141例、カナダ34例(カナダ政府によれば51例)などである。367例中、死亡例は10例である。新たな発生国として、香港とデンマークが加わった。 香港は輸入例である。また、韓国でも輸入例として確定症例が発生したとの情報もある。

日本国内での感染確定例はまだない。

 これらのうち、国内(地域内)での感染伝播を、「確定例が報告されていて、かつ渡航歴のなく、その感染源を追うことのできない確定例が1例以上報告されている地域」とすると、報告されている限りでは、米国(カリフォルニア州1、テキサス州1)、ニューヨーク州2)、)およびメキシコ3が、地域内感染伝播が存在している地域と考えられる。カナダ(ブリティッシュコロンビア州)では、学校での感染が地域に伝播したとの報告がなされているが4)、現状では詳細は不明である。

 1)  MMWR April 24, 2009 / 58 (Dispatch);1-3による
 2)  ニューヨーク市当局より高等学校によるアウトブレイクと他の学校への波及が報告されている。
 3)  メキシコ当局より地域的な流行が報告されている。
 4) カナダ保健省による。


尚、インフルエンザ症状のある患者の診断に当たっては、現状のSwine Flu H1N1の状況では軽症例や無症候性感染も含まれることが考えられ、かつ発症の一日前から感染性があることを考えれば、更に広い範囲で感染伝播が見られる可能性もあり、また航空機内なトランジットの空港などで偶然感染することもあり得るので、臨床所見と検査所見をあわせた総合的な判断が必要である。




(2009/5/2 IDSC 更新)
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