国際保健規則(2005)に基づいて設定された緊急委員会はその2回目の会合を2009年4月27日に行った。
委員会は、アメリカ合衆国、メキシコ及びカナダにおけるブタインフルエンザA/H1N1の確認されたアウトブレイクにおける利用可能なデータで検討を行った。委員会は感染が広がっている可能性があるその他の国からの報告についても検討した。
委員会の提言で、WHO事務総長は、次の判断を下した。
- WHO事務局長は、現在のフェーズ3からフェーズ4にインフルエンザパンデミックの警戒水準を引き上げた。
- パンデミックの警戒の現在より高いフェーズへの変更は、パンデミックの可能性が高まったことを示すが、パンデミックが避けられないことを示す訳ではない。
- さらなる情報収集が可能になれば、WHOは、フェーズ3へ戻すかもしれないし、あるいは他のフェーズへ警戒水準を上げるかもしれない。
- この決定は主として、ヒトからヒトへの感染を証明する疫学的データやコミュニティーレベルでのアウトブレイクを引き起こすウイルスの能力に基づくものである。
- 現状の通りウイルスが広域に存在することを考えると、WHO事務局長はアウトブレイクの封じ込めが実現可能ではないと考える。現在の焦点は緩和対策に置くべきである。
- WHO事務局長は、国境の閉鎖をしないよう、および海外渡航の制限をしないよう推奨する。体調の悪い人は海外渡航を延期し、海外渡航の後に症状が現れ医療機関を受診することが賢明であろう。
- WHO事務総長は、状況の進展次第で再評価を行うことを前提に、季節性のインフルエンザワクチンの生産を現時点で続けるべきであると考えている。WHOはA/H1N1ウイルスに予防効果のあるワクチンの生産に必要なプロセスを促進する予定である。
- WHO事務総長は、全ての対策が国際保健規則の目的や範囲と一致すべきであることを強調した。
(2009/4/29 IDSC 更新)
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