国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ



新型インフルエンザA(H1N1)の流行状況−更新25

          
2009年12月4日

国立感染症研究所 感染症情報センター

国内の状況

1. 定点サーベイランスによる現状とインフルエンザ様疾患発生報告(図1)

 感染症発生動向調査によるインフルエンザの報告は増加傾向にあり、第47週(11月16日から11月22日)の1週間に186,117例で、定点あたりの報告数(1週間の1医療機関当たりへの受診患者数)は38.89で46週(35.15)と比べて増加した(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.html)。この報告に基づいた第47週11月16日から11月22日)における患者数の推計は全国に約173万例であった。インフルエンザの発生報告は全国的に増加している。都道府県別で定点あたりの発生報告が大きいのは大分県(77.21)、福井県(71.25)、石川県(65.02)の順である。大分県は7保健所中7保健所(100%)で警報(定点あたり報告数30.00以上)レベルを超え、福井県は6保健所中5保健所(83%)で警報レベルを超え、石川県は5保健所中5保健所(100%)で警報レベルを超えている(詳しくはインフルエンザ流行レベルマップを参照)。北海道、東北、関東、近畿地方で3週連続して減少している都道府県がある。北海道は43週(61.43)をピークに減少傾向である。東北では秋田県が減少傾向にあり、関東地方では東京都が減少傾向にあり、近畿地方では大阪府、兵庫県が減少傾向にある。

  厚生労働省結核感染症課が取りまとめているインフルエンザ様疾患発生報告の2009/2010年シーズン第4報によると、47週では全国で学級閉鎖学校数が11,243校、学年閉鎖学校数が3,611校、休校数が828校であった。休校数、学級閉鎖、学年閉鎖の実施数が減少した。前シーズン(2008/2009年シーズン)との比較は高等学校の報告が本年21週より加わったり、自治体により学級閉鎖等の基準を前年と異なる対応等をしていたりするため、十分な考慮が必要である。


 

           図1 インフルエンザ患者発生報告およびインフルエンザ様疾患患者発生報告



2.  新型インフルエンザによる入院患者数の概況等(厚生労働省発表資料参照

厚生労働省の公表によると、新型インフルエンザによる入院患者数の報告数は11月18日から11月24日に856例の報告があった。入院した患者の年齢は5〜9歳が401人(47%)で最も多く、次いで1〜5歳未満194人(23%)、10〜14歳が116人(14%)の順であった。入院患者のうち急性脳症の罹患は23人(3%)、入院患者のうち人工呼吸器の利用は35人(4%)であった。11月24日までに入院した患者累計(7月28日時点で入院中の患者または7月29日以降に入院した患者の累計数)は9,181人となり、このうち基礎疾患を有する者3,246人では、慢性呼吸器疾患が2,194人(68%)と最も多い。
  同期間における死亡者は11月25日現在で73人報告され、うち63人が入院患者、10人が入院患者以外である。また、クラスターサーベイランスは10月12日より厚生労働省の運用方法が変更された(通知参照)。運用にあたり、報告は医療機関および社会福祉施設等における集団発生報告となたった。46週(11月16日から11月22日)の集団発生報告は医療機関が1施設、社会福祉施設が1,050施設であった。



3. インフルエンザウイルス分離・検出状況(図2)

  病原微生物検出情報によると、全国で2009年19週から47週までに採取された検体から分離・検出されたインフルエンザウイルスの型・亜型別内訳では、ほとんどが新型インフルエンザウイルスAH1pdmである(図2)。



                 図2  週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数



(2009/12/11 IDSC 更新)

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