国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ



新型インフルエンザA(H1N1)の流行状況−更新22

          
2009年11月6日

国立感染症研究所 感染症情報センター

国内の状況

1. 定点サーベイランスによる現状とインフルエンザ様疾患発生報告(図1)

 感染症発生動向調査によるインフルエンザの報告は増加傾向にあり、第44週(10月26日から11月1日)の1週間に159,651例で、定点あたりの報告数(1週間の1医療機関当たりへの受診患者数)は33.28で43週(24.62)と比べて増加した(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.html)。この報告に基づいた第44週10月26日から11月1日)における患者数の推計は全国に約154万例であった。インフルエンザの発生報告は全国的に増加している。都道府県別で定点あたりの発生報告が大きいのは愛知県(54.44)、秋田県(53.55)、北海道(49.08)の順である。愛知県は31保健所中21保健所(68%)で警報(定点あたり報告数30.00以上)レベルを超え、秋田県は9保健所中6保健所(67%)で警報レベルを超え、北海道は30保健所中28保健所(93%)で警報レベルを超えている(詳しくはインフルエンザ流行レベルマップを参照)。
 厚生労働省結核感染症課が取りまとめているインフルエンザ様疾患発生報告の2009/2010年シーズン第一報によると、44週では全国で学級閉鎖学校数が12,876校、学年閉鎖学校数が3,983校、休校数が963校であった。学級閉鎖学校数の増加が学年閉鎖学校数及び休校数と比べて顕著に増加していた。前シーズン(2008/2009年シーズン)との比較は高等学校の報告が本年21週より加わったり、自治体により学級閉鎖等の基準を前年と異なる対応等をしていたりするため、十分な考慮が必要である。



図1 インフルエンザ患者発生報告およびインフルエンザ様疾患患者発生報告


2. 2. 新型インフルエンザによる入院患者数の概況等(厚生労働省発表資料参照

 厚生労働省の公表によると、新型インフルエンザによる入院患者数の報告数は10月28日から11月3日に813例の報告があった。入院した患者の年齢は5〜9歳が381人(47%)で最も多く、次いで10〜14歳が169人(21%)、1〜5歳未満140人(17%)の順であった。入院患者のうち急性脳症の罹患は27人(3%)、入院患者のうち人工呼吸器の利用は26人(3%)であった。11月3日までに入院した患者累計は5,072人となり、このうち基礎疾患を有する者1,832人では、慢性呼吸器疾患が1,216人(66%)と最も多い。
 死亡者は11月5日の時点で47人報告され、うち42人が入院患者、5人が入院患者以外である。また、クラスターサーベイランスは10月12日より厚生労働省の運用方法が変更された(通知参照)。運用にあたり、報告は医療機関および社会福祉施設等における集団発生報告となたった。44週(10月26日から11月1日)の集団発生報告は医療機関が2施設、社会福祉施設が685施設であった。




3. インフルエンザウイルス分離・検出状況(図2)

 病原微生物検出情報によると、全国で2009年19週から43週までに採取された検体から分離・検出されたインフルエンザウイルスの型・亜型別内訳では、ほとんどが新型インフルエンザウイルスAH1pdmである(図2)。


図2  週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数


世界の状況
(詳細はWHO:パンデミック(H1N1)2009-更新72を参照)

 北半球の温帯地域では、インフルエンザの流行が激しさを増し、いくつかの国々では通常よりも早い冬季のインフルエンザシーズンが始まっている。感染は全体として、多くの国々で引き続き減少しているが、南アジアおよび東南アジアの全ての地域ではない。南半球の温帯地域におけるインフルエンザの流行はほとんど報告されていない。


(2009/11/17 IDSC 更新)

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