国内の状況
1. 定点サーベイランスによる現状とインフルエンザ様疾患発生報告(図1)
感染症発生動向調査によるインフルエンザの報告は増加傾向にあり、第43週(10月19日から25日)の1週間に118,570例で、定点あたりの報告数(1週間の1医療機関当たりへの受診患者数)は24.62で42週(17.65)と比べて増加した(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.html)。この報告に基づいた第43週10月19日から25日)における患者数の推計は全国に約114万例であった。インフルエンザの発生報告は全国的に増加している。都道府県別で定点あたりの発生報告が大きいのは北海道(61.43)、愛知県(39.42)、福岡県(37.35)の順である。北海道は30保健所中28保健所(93%)で警報(定点あたり報告数30.00以上)レベルを超え、愛知県は31保健所中17保健所(55%)で警報レベルを超え、福岡県は19保健所中12保健所(63%)で警報レベルを超えている(詳しくはインフルエンザ流行レベルマップを参照)。
厚生労働省結核感染症課が取りまとめているインフルエンザ様疾患発生報告(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/infreport/report.html)によると、43週では全国で学級閉鎖学校数が10,076校、学年閉鎖学校数が3,104校、休校数が784校であった。学級閉鎖学校数の増加が学年閉鎖学校数及び休校数と比べて顕著に増加していた。前シーズン(2008/2009年シーズン)との比較は高等学校の報告が本年21週より加わったり、自治体により学級閉鎖等の基準を前年と異なる対応等をしていたりするため、十分な考慮が必要である。
図1 インフルエンザ患者発生報告およびインフルエンザ様疾患患者発生報告
2. 新型インフルエンザによる入院患者数の概況
厚生労働省の公表によると、新型インフルエンザによる入院患者数の報告数は10月21日から27日に570例の報告があった。また、クラスターサーベイランスは10月12日より厚生労働省の運用方法が変更された(通知参照)。運用にあたり、報告は医療機関および社会福祉施設等における集団発生報告となたった。43週(10月19日から25日)の集団発生報告は医療機関が4施設、社会福祉施設が376施設であった(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/10/dl/infuh1028-01.pdf)。
3. インフルエンザウイルス分離・検出状況(図2)
病原微生物検出情報によると、全国で2009年19週から43週までに採取された検体から分離・検出されたインフルエンザウイルスの型・亜型別内訳では、ほとんどが新型インフルエンザウイルスAH1pdmである(図2)。
図2 週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数
(2009/10/30 IDSC 更新)
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