国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ



新型インフルエンザA(H1N1)の流行状況−更新15

          
2009年9月24日

国立感染症研究所 感染症情報センター

国内の状況

1. 定点サーベイランスによる現状とインフルエンザ様疾患発生報告(図1)

 感染症発生動向調査によるインフルエンザの報告は増加傾向にあり、第37週(9月7日から9月13日)1週間に15,382例で、定点あたりの報告数(1週間の1医療機関当たりへの受診患者数)は3.21で36週と比べて増加した(最新情報はhttp://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.htmlを参照)。この報告に基づいた第37週(9月7日から9月13日)における患者数の推計は全国に約18万例であった。都道府県別で定点あたりの発生報告が大きいのは沖縄県(13.38)、宮城県(5.90)、東京都(5.90)の順であった(詳しくはインフルエンザ流行レベルマップhttps://nesid3g.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/index.htmlを参照)。沖縄県は減少傾向にあるが、流行状況が継続している。
 厚生労働省結核感染症課が取りまとめているインフルエンザ様疾患発生報告(詳しくはhttp://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/infreport/report.htmlを参照)によると、37週では全国で学級閉鎖学校数が1,638校、学年閉鎖学校数が407校、休校数が113校であった。

図1



2. 新型インフルエンザによる入院患者数の概況

 厚生労働省の公表(http://www.mhlw.go.jp/za/0730/d20/d20-03.html)によると、新型インフルエンザによる入院患者数の報告数は9月9日から15日に102例の報告があった(詳しくはhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/rireki/090917-02.htmlを参照)。また、クラスターサーベイランスによる新型インフルエンザ様患者の集団発生報告は前回の報告から3,284施設増加し、臨時休業を実施した施設は1,504施設増加した(詳しくはhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/rireki/090917-01.htmlを参照)。


3. インフルエンザウイルス分離・検出状況(図2)

 病原微生物検出情報によると、全国で2009年19週から37週までに採取された検体から分離・検出されたインフルエンザウイルスの型・亜型別内訳では、ほとんどが新型インフルエンザウイルスAH1pdmである(最新情報はhttp://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/sinin1.gifを参照)。

図2

世界の状況
(詳細はWHO:パンデミック(H1N1)2009-更新66を参照)

 南半球の温帯地域はインフルエンザの活動が減少または平年並みに戻りつつある。アメリカ大陸およびアジアの熱帯地域は流行が継続している。中央アメリカ、カリブ海沿岸地域は減少傾向にある。南アメリカの熱帯地域は呼吸器疾患の報告が増加している。アジアの熱帯地域は呼吸器疾患の報告流行維持または増加している。北半球の温帯地域での活動性は様々である。米国は地域的な増加が報告、特に南東の州で最も増加した。ヨーロッパ諸国の多くは低度あるいは中等度の呼吸器疾患の活動性があるが、東ヨーロッパ増加傾向の報告が一部の国では活動性が増加している。各国で検出されているパンデミックH1N1インフルエンザウイルスはA/California/7/2009に抗原的に類似している。


(2009/9/28 IDSC 更新)

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