国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ



新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染に対する大学、
その他高次教育機関における暫定的な指針
−改訂版

      アメリカ東部時間2009年5月11日午後6時30分 
               CDC(原文


※以前のバージョンはこちら

  この推奨は現在行なわれているサーベイランス、及びリスクアセスメントに基づいて作成されており、今後変更することがありうるという点に留意すること。
 
このガイダンスにおける“教育機関”とは、大学、短大、大学院などの高次教育機関を意味する。

背景

 この文書は新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスのアウトブレイク期間中に大学内やその周辺へのインフルエンザ拡大を抑えるための手段を記した教育機関へのガイダンスである。ここに記されている推奨は、この新しいウイルスが継続的にヒトーヒト感染を起こしていること、すでにほぼアメリカ全土に広がっていること、そして病原性という点で季節性インフルエンザとほぼ同等という情報に基づいて作成されている。更なる情報が得られた場合に変更がありうる。


暫定的推奨

  • CDCでは、現在のところ、教育機関において講義やその他の大規模集会の中止を求めていない。
  • もし、学生、職員、スタッフ、大学周辺などで新型インフルエンザA(H1N1)感染確定患者が認められた場合、あるいはインフルエンザ様症状(Influenza like illness, ILI)(発熱と咳または咽頭痛を伴う)を呈するものが多数出現した場合は、大学は州、及び地元の保健局に相談し、適切な対応をとること。
  • 医療系の学校での新型インフルエンザA(H1N1)の感染拡大は、非常に大きな心配が生じる為、学校責任者はILI症例が構内にいると疑ったら州や地元の保健局に連絡することを強く推奨する。
  • 学生、職員、スタッフで寮などの施設に住んでいる、いないに関わらずILIのある人は、症状発症後から7日間、または症状消失後24時間のいずれかのうち、期間の長い方の間だけ自らを隔離(つまり他人と接触しない)すべきである。
  • ILIのある人で医療機関受診を希望する人は、受診する前に、電話など人との接触を必要としない手段を用いて、かかりつけ医または大学の保健センターに連絡すること。大学は、すべての学生、職員、スタッフが保健センターに連絡することも含め、ILIになった場合にどうすべきか、ということを確実に伝える責任がある。
  • もしILIの人が自宅や寮から外出しなくてはならない場合(医療機関を受診する、その他必要な理由で)、咳やくしゃみをする時は鼻と口を覆い、可能ならばサージカルマスクを着用すること。詳細は以下のサイト参照のことhttp://www.cdc.gov/h1n1flu/guidance_homecare.htm
  • 患者のルームメイトや同居者は病人を自宅で療養する為のガイダンスhttp://www.cdc.gov/h1n1flu/guidance_homecare.htmを参照の事
  • 新型インフルエンザA(H1N1)感染により合併症を併発しやすいハイリスクグループ(例えば、慢性疾患を持つ人、5歳未満の小児、65歳以上の高齢者、妊婦など)に属する人は、新型インフルエンザAウイルスが蔓延している地域での集まりに参加することで、新型インフルエンザにさらされる危険性について考慮する必要がある。マスクの使用法を含むインフルエンザの予防法については次のサイトを参照のこと:http://www.cdc.gov/h1n1flu/masks.htm


大規模集会

 
我々が現在知りうる新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスの感染の拡大の様式と、大学内外での更なる感染拡大の予防の手段として、大学は、ILIの人に対して大規模集会への参加を控えるよう働きかけるべきである。症状のある人は、できる限り他人との接触を避け、症状発症後から7日間、または症状消失後24時間のいずれかのうち、期間の長い方の間だけ自宅に留まるよう大学は指導すべきである。さらに、正しい咳エチケットや手洗いについて指導すべきである(http://www.cdc.gov/h1n1flu/qa.htm参照のこと)。「集会」には、卒業式や学位授与式、コンサート、スポーツイベントなど、大人数が近い距離で接触する機会を与えるものなどがある(http://www.cdc.gov/h1n1flu/guidance/gatherings.htm参照)。

 大規模集会は、大学管理者やイベント主催者にとっては、参加者に自分自身や家族が新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染から身を守るための助けとなる正しい感染予防方法を教育できる良い機会となる。(http://www.cdc.gov/h1n1flu/qa.htm参照のこと)

 大学は新型インフルエンザA(H1N1)のアウトブレイクに備えて、以下の準備をすることを考慮されたい

  • 州や地元の保健局とよく連絡をとりあう
  • CDCの新型インフルエンザウイルスのサイトを頻繁に確認し、現状を把握しておく
  • 病気そのものに関して、及び感染拡大を弱める方法について様々な形式で教育的メッセージが発信出来るように準備しておく(http://www.cdc.gov/h1n1flu/qa.htm参照のこと)
  • 通信教育、ウェブを用いた教育、その他社会的距離(Social Distancing)を増やしながら、教育を提供できる方法を準備しておく。
  • 食事、薬、そのほかのサービスの供給をILIになった学生にどのように提供していくかについての計画を立てる。
  • 学生内に患者が発生した場合に、感染していない学生の曝露をいかに減らすかという点について不足事態対応計画を立てる

 詳しい情報はhttp://www.cdc.gov/h1n1flu/guidance/参照のこと


(2009/5/15 IDSC 更新)

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