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2003/6/11



SARSの報告がある地域から到着する
旅客に接する機会のある職員のためのCDC暫定ガイドライン(要約)
(6月5日)


CDCはSARSの集団発生の状況を常時監視しているが、現時点では主な感染経路はヒト−ヒトの密接な接触時の飛沫感染である。他の感染経路の存在の可能性も考えられるが、現時点ではまったく分かっていない。CDCは旅行者に対する情報として、勧告と警報を出しているので、参照して欲しい。 

米国運輸保安局(Transportation Security Administration)、税関庁・国境防護局(Bureau of Customs and Border Protection)、その他の職員でSARSが報告されている地域からの旅客に接する者に対して、一般の人に接する際に既に導入されている予防対策以上の特別な対策をCDCは推奨していない。一般的に、すべての感染症に共通の効果的な手洗いを行うことが必要である。石けんと水による手洗いが望ましいが、もしそれが難しい状況の場合は、見た目には特に汚れて(有機物等の付着が)無ければ、アルコール入りの速乾性のある消毒剤で代用することもできる。

もしも、SARSが報告されている地域から到着して、呼吸器症状を呈している乗客を、拘束あるいは介助しなければならない時は、その患者をできるだけ他の旅客から離れた場所へ置き、直ちに適切な担当部局に連絡すると共に、空港あるいは港湾を管轄している検疫所と救急医療班(Emergency Medical Services)の支援を要請する。これらが到着するまでの間は、症状のある乗客に、手に入る場合は外科用マスクを着用してもらう。これには、空気中への飛沫の拡散を減少させる作用がある。外科用マスクが入手できない場合は、ティッシュペーパーを渡し、咳をするときに口と鼻をそれで覆うように指導する。患者がマスクを着用できないとき(息苦しい等で)は、職員がその人に近接する場合にマスクを着用する必要がある。CDCは、到着旅客と接する米国運輸保安局、税関庁・国境防護局、その他の職員が、N95等の用具を日常的に使用することは推奨しない。

これらの職員が、SARSに罹患している可能性がある旅客に接した後で、発熱や呼吸器症状を呈した場合は、受診することを勧めるが、必ず事前に症状を連絡し、仮にSARSに罹患していた場合でも、医療機関での二次感染の危険を避けるための対策が取れるようにする。

(詳細はInterim Guidelines for Personnel Interacting with Passengers Arriving from Areas with SARSを参照)

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