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2003/6/2

重症急性呼吸器症候群(SARS)



第56回世界保健総会のハイライト(要約)
(5月28日)


2003年5月19日から28日の間にジュネーブで開かれた世界保健機関(WHO)の総会、世界保健総会(WHA)では、主要な議事であった無記名投票による、世界で始めての公衆衛生条約(Framework Convention on Tobacco Control)の採択や、次期事務局長として韓国の李鍾郁(Jong-Wook Lee)博士が選出された以外にも様々な事項が議題となったが、SARSや感染症に関するものとしては次のようなものがあった。

国際保健規則(IHR)の改正
この総会において、WHOがあらゆる公的および非公式の情報源から集団発生に関する情報を入手し、その事実確認を行う権限を持つことが確認された。これに加え、適切な感染制御がなされていることの確認を現地で行うことを通して、集団発生の深刻さを決定する点においてWHOが取るべきリーダーシップが再度確認された。一方、IHRの改定作業は、2005年WHAへ最終案が提出されるまで続けられる。

重症急性呼吸器症候群(SARS)
WHAにおいて、SARSを「21世紀最初に出現した重篤な感染症」と位置づけ、すべての国々へSARSと他の新興・再興感染症の制御に向けた全面的協力を呼びかけた。総会中にWHOは、SARSに立ち向かい、中国と周辺国における疾病サーベイランスおよび集団発生対応能力を確立するために、新たに$1億ドルの公私共同事業の立ち上げも発表した。

世界的な麻疹死亡率の低下
麻疹はワクチン予防可能疾患であるにもかかわらず、小児で最も死亡率が高い。WHAは2005年までに麻疹による死亡を半減する目標と併せて、WHO−UNICEFの麻疹死亡率削減計画への資金援助と完全導入を呼びかけた。

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