過去数週間でSARSに関する莫大な情報が入手可能となり、一般人々のSARSへの関心の高まりが、SARSの「最近の地域内伝播」が発生したと疑われる地域から来た人に対する不条理な行動や偏見に繋がる可能性がある。
現時点でのSARSに関する知見によると、有症者だけに感染性があり、疾病を伝播することができ、また、感染伝播には密接な接触が必要である。密接な接触とは、SARSの「疑い例」または「可能性例」の看病をしたり、同居したり、呼吸器系分泌物あるいはその他の体液に直接接触した者を意味する。
WHOは、「最近の地域内伝播」があった地域から来た人が大規模なイベントや集会に参加する場合、以下に述べるような方針に従うことを推奨する。
1.
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無症状者、およびSARSが疑われる患者と密接な接触がなかった人は、特に何の制限も無しに自由に参加することを歓迎する。しかしその場合でも、十分な注意を払い、到着後10日以内に症状が出た場合は、滞在国内にあるイベントの主催組織や機関の関連医療機関に受診する必要がある。
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2.
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直前の10日のあいだに、SARSが疑われる人と密接な接触をしていた人、あるいは密接な接触をしていたかもしれないと思う人は、出国すべきではなく、自国の国家保健当局に連絡を取るべきである。
しかしながら、もし既に当事者が出国していた場合は、滞在国のイベントの主催組織や機関の関連医療機関に連絡をとる必要がある。その医療機関の下で、その国の予防対策方針にのっとり、疑われる患者との接触後10日間は積極的サーベイランス下に置かれる。
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3.
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イベント主催国に入国後10日以内に発症(38℃の突然の発熱、乾性咳嗽、息切れ、呼吸困難を含む)した人は、以下のようにすること。
○ 自分の部屋から出ない
○ イベントの主催組織や機関の関連医療機関に連絡をとり、その国の予防対策方針にのっとり、適切な隔離が確実に行われるようにする
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すべての国は、輸入SARS症例に対するサーベイランス、接触者追跡調査、隔離体制などの対応を事前に準備して置かなければならない。不幸にして、会議などに参加した人がSARSに感染した場合、最良の防御は「排除」をするのではなく、状況の適切な管理を行うことである。
WHOは、SARSの「最近の地域内伝播」が認められた地域からの旅行者で、健康な人がマスクを着用することは推奨していない。