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5/2/2003
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地域におけるSARS関連コロナウイルス肺炎の集団発生での臨床経過中のウイルス量の前向き研究
(4月30日)
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JSM Peiris, CM Chu, VCC Cheng, KS Chan, IFN Hung, LLM Poon, KI Law, BSF
Tang, TYW Hon, CS Chan, KH Chan, JSC Ng, BJ Zheng, WL Ng, RWM Lai, Y Guan,
KY Yuen and members of the HKU / UCH SARS Study Group
本論文はThe Lancet に採用され、来週発表される予定である。著者らは、発行に先駆けこの論文の要旨を発表する許可をくれたThe
Lancet に感謝する。
概 要
背 景:
疫学的関連を認める、地域での重症急性呼吸器症候群(SARS)の集団発生が報告された。臨床的、放射線学的、ウイルス学的な経時的変化を調査した。
方 法:
75人の患者に対して、香港特別行政区医院管理局の基準に従った治療方法で管理し、リバビリンとコルチコステロイドを3週間投与した。これらの患者の経過中の臨床的、血液学的、放射線学的、微生物学的所見の前向き研究を行った。疾病の臨床経過、ウイルス量、予後不良のリスク因子、そしてウイルス学的診断方法の有用性を示し解析した。
結 果:
発熱と肺炎は当初治療に反応した。しかしながら患者の85.3%が8.9 ±3.1(範囲 4〜18)病日に再度熱発し、73.3%が7.5 ± 2.3(範囲
3〜15) 病日に水様性下痢を発症し、80%が7.4 ± 2.2(範囲 3〜13)病日に放射線学的に悪化し、45.3%が8.6 ± 3(範囲
5〜19)病日に呼吸器症状の悪化をみた。45.3%の患者で初期の肺病変の著しい改善が見られたが、これは対側の新しい病変の出現と密接に関連していた。20%が第3週中に、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)へ進行した。14人の患者(4人がARDSで、10人はARDSでない)の鼻咽頭吸引検体の定量的RT-PCRは、一貫して第10病日に最大のウイルス量を検出し、入院時のレベルへ第15病日に低下した。多変量解析で、年齢と慢性B型肝炎ウイルス感染が、独立したARDSへ進行するリスク要因であった。糞便中へのコロナウイルスの排出が見られ、経過観察期間中継続した。血清中の抗体の陽性化、鼻咽頭吸引検体と糞便のRT-PCRはSARSの確認に有効である。
考 察:
共通して見られる臨床経過と、放射線学的浸潤影の移行、そして逆V字型のウイルス量の形は、第2週に見られる病状の悪化はウイルスの増殖が制御抑制されていない事とは関連無く、どちらかというと免疫病理的傷害に関連しているのではないかと考えられる。年齢とB型肝炎ウイルスの感染状況がARDSへの重症化のリスク要因である。
初期の鼻咽頭吸引検体のRT-PCR検査が陽性であり、SARS関連コロナウイルスに対する抗体陽性の20人の患者の臨床検体の経時的分析
症状発現後の
日数(日)
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10
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13
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16
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19
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21
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鼻咽頭吸引
(陽性検出率)
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19 / 20 (95%)
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18 / 20 (90%)
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18 / 20 (90%)
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15 / 20 (75%)
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9 / 19 (47.4%)
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糞便
(陽性検出率)
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20 / 20 (100%)
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20 / 20 (100%)
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19 / 20 (95%)
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12 / 15 (80%)
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10 / 15 (66.7%)
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尿
(陽性検出率)
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10 / 20 (50%)
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9 / 20 (45%)
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7 / 20 (35%)
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6 / 20 (30%)
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4 / 19 (21.1%)
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図1.75人のSARS患者の経時的臨床像
ピンク:体温
青 :下痢症の発症
黄色 :酸素飽和度の低下
水色 :呼吸管理を必要としたARDS期間
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