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4/28/2003

重症急性呼吸器症候群(SARS)−38


(仮訳)

WHOによる重症急性呼吸器症候群(SARS)
多国同時集団発生の報告
(4月24日、更新第38報)


中国の状況

中国衛生署は本日さらに、安徽省(Anhui)からの最初の症例を含む125例のSARS「可能性例」を報告した。この新しい報告数の追加で、中国の累積「可能性例」報告数は2,422例にのぼった。

21の省から「可能性例」が報告されており、他の5つの省からも「疑い例」が報告されている。

新規に報告された125例のうち24例は医療従事者で、これは北京からの17例を含んでいる。中国は、平成14年の11月中旬に始まった今回のSARS集団発生の経過において、医療従事者の感染例としては総計で541人を報告している。

新たに報告された症例は北京からが89例と最も多く、広東省の15例と内モンゴル自治区の11例がこれに続いている。北京は新たに4例の死亡例を報告し、これによって中国のSARSによる累積死亡例は110例となった。

広東省は累積で最も多い1,359例の「可能性例」を報告しており、北京が774例でこれに続いている。

北京からの報告数は日々増加しており、WHOは状況を注意深く見守っている。本日までに提供された情報からは、現在の新規報告例が、過去のSARS症例が今になって明るみに出たものであるか、新たに見つかったものであるかを判断することはできない。これらの報告をさらに的確に解釈し、根底にある状況をより完全に近く分析するには、症例の発症日や地理的分布に関する情報が必要である。WHOが北京市の政府担当者に申し込み、明日、WHO技官と北京の疾病専門家らによる報告手続きの見直しのための会合がもたれることになった。

昨日北京当局は、予定されていた国民の休日であるメイ・デイ休暇に先立ち、休暇を延長する形で小中学校を閉鎖した。学校当局は、保護者、教員、訪問者に対してSARSの症状について通知するように求められている。これらの症状がある人は、学校への訪問を取りやめるように要請されている。学校当局は学童、生徒、教師、その他の職員、訪問者を詳細に経過観察し、SARSを疑わせる症状を示した者を帰宅させるよう求められている。

上海では、WHOの専門家チームが病院と上海疾病対策センター(上海CDC)を訪問した。チームはまた、ここでの接触者追跡調査の方法も検討した。明日このチームによる調査結果が報告され、チームは土曜日に北京へ戻る予定である。

患者情報と感染が報告された国に関する最新報告

本日までに、26ヶ国から累積で症例4,439例と死亡例263例が報告されている。これは昨日に比べ、158例の新規症例と12死亡例の増加である。死亡例はカナダ(2例)、中国(4例)、香港特別行政区(4例)、シンガポール(1例)から報告されている。ブルガリアは本日最初の症例を報告した。


 
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