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4/7/2003

重症急性呼吸器症候群(SARS)−21


(仮訳)

WHOによる重症急性呼吸器症候群(SARS)
多国同時集団発生の報告
(4月4日、更新第21報)


緊急報告:中国保健省が開始した毎日電子報告からの新情報

中国保健省から入手したばかりの情報によると、本日早くにWHOのSARSページに掲載したばかりの累積患者数に変更が生じた。

新しい情報は、各省レベルの全国的な症例と死亡例の毎日電子報告が始まったことを受けて報告された。本日提供された情報は4月1日と2日の患者報告数で、前回の3月31日までの累積数に比べ、30症例と3死亡例増加している。

4月1日の報告は、広東省から10症例と1死亡例、山西省から7症例、死亡例なしであった。4月2日は広東省から10症例と1死亡例、山西省から2症例、死亡例なし、そして湖南省から1症例と1死亡例が報告された。

この新しい情報で4月2日までに報告された中国の累積症例数は、1,190症例から1,220症例、46死亡例から49死亡例へと増えた。

SARSを疑う症例を報告しているすべての国からの「症例数と死亡数の一覧表」の本日版は、この新しい数値を反映するように更新されている。

患者情報と感染が報告された国に関する最新報告

中国からの新しい情報を含め本日までに、16カ国から累積で2,353例のSARS症例と84例の死亡例の報告がされている。これは前日までと比べ、83症例と5死亡例の増加である。カナダで1例、中国で1例、シンガポールで1例の死亡が報告されている。

新しい症例の報告はカナダから7例、中国30例、香港特別行政区27例、台湾1例、シンガポール2例、米国15例であった。

香港特別行政区の状況

保健省は本日、さらに27人の異型肺炎の症状を呈する患者が公立病院へ入院したと報告した。この新規患者には5人の医療従事者と8人の淘大花園(アモイガーデン)住宅団地の住人が含まれている。残りの14人は既知の感染経路で感染したのではない人たちか、異型肺炎の患者の「接触者」であった。

昨日報告された26人の新規患者のうち、2人は医療従事者で、2人は淘大花園(アモイガーデン)の住人で、22は既知の感染経路で感染したのではない症例と異型肺炎患者の接触者であった。

保健当局は現在、従来とは異なる感染経路が疑われるSARSの大患者群が発生した、淘大花園(アモイガーデン)E棟に隣接する工事現場の下水汚物を調査している。これらの症例は、位置的に垂直な関係の住居に住んでいた人々であった。

二つ目の調査対象として、Eブロックの破裂した下水管が集中的に調査されている。この下水管が、淘大花園(アモイガーデン)を訪問後の3月はじめに香港のPrince of Wales病院に入院し、同棟を訪問時にすでに症状があったとされる、一人の訪問者と疫学的関連があるのではないかと考えられている。


 
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