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4/1/2003


(仮訳)

重症呼吸器症候群(SARS)のWHO管理指針
(3月28日改訂)


SARSのサーベイランスのための症例定義も参照してください。

可能性例(Probable cases)の管理

個室隔離あるいは他のSARS可能性例とともに大部屋へ集めて入院させる(Hospital Infection Control Guidance 感染症情報センター版参照)

肺炎の通常の原因(通常の異型肺炎の原因を含む)を除外するために検体を採取する

SARSの調査のための検査は、白血球数、血小板数、CPK、肝機能、尿素窒素(BUN)、電解質、CRPを含む。検体採取方法については追って提供される予定

入院時には、通常の市中肺炎の治療(異型肺炎を包括する)に使用される抗菌薬の使用を勧奨する

気管支拡張剤とともにネブライザーを使用したり、胸部理学療法、気管支鏡、胃内視鏡、あるいは気道に関わるすべての処置を含む、飛沫を生じる可能性のある治療あるいは処置には特別の注意を払い、これらが必要な場合には、適切な感染予防措置を講ずること

SARSにおいては多数の抗菌薬が試用されてきたが、明らかな効果のあるものはなかった。ステロイド併用あるいは併用なしでリバビリンを使用される患者が増えているが、臨床的な指標がなかったため、その効果は証明されてはいない。多数の施設の協調によりリバビリンの効果を検討することが提案されている。


接触者の管理
接触者とは、SARSの「疑い例」あるいは「可能性例」の患者が症状を呈している間に接触があった為に、SARSを発症する危険が高い者とする。本日までに得られた情報によると、リスクが高い接触とは、「疑い例」あるいは「可能性例」のSARS患者の介護、患者との同居、又は患者の体液や気道分泌物に直接接触した場合を言う。

「可能性例」の接触者の管理

SARSに関する情報を提供する

10日間能動的サーベイランス下におく

公衆衛生対策チームのメンバーにより毎日電話をかけるか訪問する

毎日体温を記録する

接触者は日常の行動を続けていてよいが:

もし、なんらかの症状を発現すれば、予め連絡し、医療機関を受診し検査を受けること

最初に起こりうる最も確実な症状は発熱である


「疑い例」の接触者の管理

SARSに関する情報を提供する

10日間受動的サーベイランス下におく

接触者は日常の行動を続けていてよいが:

もし、なんらかの症状を発現すれば、公衆衛生当局に自己申告する

最初に起こりうる最も確実な症状は発熱である


 
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