IDSC
 

SARSトップページ > ガイドラインその他詳細情報 > その他

 


2004年の北京および安徽省におけるSARS集団発生の原因究明と責任の明確化に関する経過報告

国務院副総裁が、今回の事例を教訓として真摯に受け止め、 実験室におけるバイオセーフティを強化することを呼びかけた

  新華社北京7月1日電要旨(原文


新華社の7月1日付け報告によると、本日午前、衛生部は中国疾病予防控制中心(中国CDC)の幹部を招集し、2004年の北京および安徽省における、SARS集団発生の原因に関する中国衛生部調査の結果を報告した。国務院副総裁の氏は、今回の事例を教訓とし、実験室におけるバイオセーフティの重要性への理解を高め、有効な措置をとり、実験室内安全を強化し、感染症予防対策をとるように強く求めた。

中国衛生部は世界保健機関(WHO)とともに専門家グループを組織し、2004年の北京および安徽省におけるSARS集団発生の原因究明調査を行った。また衛生部と科学技術部は共同で調査班を作り、今回の集団発生の責任の所在に関する調査を行った。その結果、不適切なバイオセーフティ管理体制、安全規則が遵守されていなかったこと、技術者の不適切な実験操作、安全対策の不備などが原因となり、実験室汚染と技術者の感染という重大な事故がおこったと結論づけた。中国CDCの国立ウイルス学研究所腸管ウイルス実験室は、SARSコロナウイルスの研究を行っていたが、有効性が確認されていないウイルスの不活化手法を用い、必要とされている感染防止要件を満たしていない通常の実験室で実験を行い、技術者の健康状態の報告も怠った。これを受けて衛生部は、中国CDCの所長と当外部署担当の副所長が管理責任を問われるべきとして、行政処分し、併せて両者が辞職することを認め、また直接の責任がある国立ウイルス学研究所長と腸管ウイルス実験室長を行政処分することを決定した。

国務院副総裁は、今回の事故の発生は、国民の健康を損ない精神的な苦痛をあたえ、社会経済的にも一定の損失を出し、非常に遺憾に思っており、その教訓を極めて深刻に受け止めていると述べた。そのために、実験室のバイオセーフティを強化することは最優先課題であり、そのための法規を整備すること、実験室安全の意識を高めること、安全のためのガイドラインを設定すること、安全基準を満たした実験室を設立すること研究者の健康状況のサーベイランス、疾病の拡大の防止策などを行うことが必要であることを強調した。

また国務院副総裁は、衛生部が科学技術部とともに全国規模のバイオセーフティに関する査察を行うことを求め、また、各人が自らの実験室内安全を見直し、監督管理を強化し、医療科学領域の研究者がバイオセーフティ規範の重要性を自覚し遵守し、そのバイオセーフティ技術の向上に努力することを求めた。

----------------------------------------------------------

(2004/7/2 掲載)



  IDSC home logo
  IDSCホームページへ