中国衛生部は本日、先に報告した調査中の2例の症例について、SARSの診断を確定した。この確定は、診断検査の結果、臨床症状、既知の症例との密接な接触歴に基づいている。 両症例は、この集団発生の発端者と考えられている症例を看護した20歳の看護師の親戚で、その母親とおばである。この看護師は看護に携わった後に発症し、4月7日に入院した。その翌日に、母親とおばを含む家族が見舞いに訪れた。 この44歳の母親は現在、危篤状態にある。36歳のおばは、今週のはじめに両側性の肺炎と診断されているが、病状は安定している。 両患者とも、看護師の父親と同じ病棟に入院していた2人の患者を含む、第3世代の症例(三次感染者)である。 臨床的に確定したあるいは調査中のSARS症例数は、9人(北京の7人と1例の死亡例を含む安徽省の2例)のままである。 北京では、7例のSARS症例すべてが地壇病院(Ditan Hospital)において、隔離下で治療されている。これは、医療機関を通じての感染拡大を防止するためのリスク軽減のための対策である。 WHOのSARSの国際的サーベイランスのガイドライン*によると、集団発生の初めに、SARS確定例と分類するためには、外部の国際リファレンス研究機関による独立した、検査結果の確認作業が必要である。この作業は、「SARS確定例」の国際公衆衛生に対する影響の大きさを考えると、必要な手順であると考えられている。 *Alert, verification and public health management of SARS in the post-outbreak period Case Definitions for Surveillance of Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS,revised 1 May 2003) Use of laboratory methods for SARS diagnosis ------------------------------------------ 2004/4/30 掲載 IDSC |
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