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中華人民共和国衛生部

 SARSの疫学的情報報告(要旨)

 2004/4/28(原文


中国衛生部広報室は4月28日の午後に全国に向けて、SARSの疫学的調査の状況について報告した。

4月27日午前10時から28日午前10時までの間に、密接な接触者として地壇病院で隔離治療を受けていた人のひとりが、SARSが疑われる症例(“疑似病例”)と診断されたと北京市から報告を受けた。その他の省からは、新たなSARS “疑似病例”あるいは確定例の報告はなかった。

北京市が報告した“疑似病例”は49歳の女性で、北京市の宣武区に在住する退職した医師である。この症例は4月9日に、「胸水貯留(胸腔内に滲出液がたまること)と胸部感染」のため、宣武医院(Xuanwu Hospital)の救急診療部で治療を受け、入院3日後の4月12日の午後に北京健宮医院に転院し、北京から報告された確定例の看護師と同じ病室で治療を受けた。4月19日に発熱し、4月22日に胸部レントゲン写真上で左上肺野、右の上肺野後方に多発性の斑紋状陰影を認め、同日夜に地壇病院に転院し隔離治療を受けている。4月27日午後に北京市は臨床症状および原病歴から、SARS“疑似病例”と診断した。この患者は、慢性周囲性神経病、呼吸麻痺、四肢??、両肺下部の張力低下および?型呼吸衰弱の症状があり、現在危篤状態である。

北京の確定例(看護師)の病状は比較的安定しており、12日の間平熱が続いている。当地から報告された6例の疑似病例は、引き続き北京地壇病院において治療中である。現在北京市で、医学的観察下におかれている密接な接触者のうち1人が発熱しているが、13人の医学的観察は解除された。

安徽省からの確定例の病状は引き続き改善がみられおり、5日のあいだ平熱が続いている。現在安徽省が医学的観察下においている密接な接触者のうち、何らかの健康状態の異常を訴えた者は未だみられておらず、38人に対する観察は解除された。

北京と安徽省の間の沿線にある省の衛生署からの報告では、3月20日以降の県および県レベル以上の行政区立の病院における、原因不明肺炎例を詳しく調査しているが、未だSARSの可能性が疑われる症例はない。

中国衛生部は、国立ウイルス学研究所には3月1日以降に、オーストラリア、ロシア、韓国、日本から18名の来訪者については、当該国とWHOに情報提供したが、未だ健康異常の発生の報告はない。

4月22日以降、安徽省から1例のSARS確定例、1例のSARS“疑似病例”の報告と、北京市から1例のSARS確定例、6例のSARS“疑似病例”の報告あり、その他の省からはいずれも報告はない。


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(2004/4/30掲載)

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