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SARS:中国で1例のSARSが疑われる症例

WHO 2004/4/22(原文

本日WHOは、1例のSARSが疑われる症例について、中国衛生部から報告を受けた。徹底した検査室での検査、接触者追跡調査と経過観察が現在行われている。

この症例は20歳の看護師で、4月5日に北京でSARS様の症状を発症し4月7日に入院している。症状に改善が見られないため、4月14日に北京市内の別の病院に転院となり、集中治療室に入院した。本日入手した初期の血液検査の結果は、SARSコロナウイルスの感染の可能性を示唆している。しかしながら、SARSと診断するまえには、さらに検査を実施する必要性がある。

接触者追跡調査により、171人の接触者が特定され、観察下に置かれている。これらの人々のうち5人が発熱している。

もしも確認されたとすれば、広東省当局が35歳のビジネスマンと20歳のウエイトレスの感染を確認した、今年の1月以来初めてのSARS症例となる。WHOによって先のSARSの集団発生の終息が7月5日に発表されたのに続き、5例のSARS症例が確認されている。2例はシンガポールと台湾(中国)の実験従事者に発生し、3人は広東省で発生した。広東省での第3例目は32歳のテレビ・ジャーナリストで、2003年12月に発表された。これら5例の症例によるSARSコロナウイルスの二次感染はなかった。

中国は、2003年の集団発生期間中には最多数のSARS症例を経験したが、(現在は)高度なSARSの可能性がある症例の検知と調査のためのシステムを持っている。WHOの北京事務所の職員は、SARSに関して多くの経験を積んでおり、中国衛生部から緊密な情報提供を受けている。

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2004/4/23 掲載 IDSC  

 
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