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中華人民共和国衛生部

 北京市で1例のSARS疑い症例が発生(要旨)

 2004/4/22(原文



中国衛生部の報道機関への発表によると、北京市で1例のSARSが疑われる非定型性肺炎の症例が発生した。この症例は現在、北京市の病院に入院し隔離治療中である。


症例は河北省出身の、北京市健宮医院(Jiangong Hospital)の看護師をしている20歳の女性で、この病院の宿舎に居住していた。4月5日に悪寒、発熱、咳嗽で発症し、4月7日に健宮医院で治療を受けていたが改善せず、4月14日に北京大学人民医院に入院し集中治療室での治療を受けている。4月19日には、患者を看護していた人のうち2人が発熱し、この病院では直ちに預警症例*として対処した。4月21日に、この医院の検査室で患者血清の検査を実施し、IgG陽性が疑われた。翌22日の北京市CDC(疾病予防控制中心)での患者血清検査で、IgGおよびIgM抗体陽性となり、また、北京市の協和医院における検査でもIgG強陽性であった。


2003-2004年度に策定したSARSガイドラインに従い、4月22日に北京市衛生局は中国衛生部へ症例の報告を行った。中国CDCで患者血清を検査し、IgG、IgM抗体陽性が確認された。衛生部は患者の臨床所見、検査結果を総合的に判断し、この症例をSARS疑い例と診断した。

北京市は現在、疫学的調査、患者住居周囲や立ち寄り先の消毒、171人の密接な接触者の医学的経過観察を開始している。現時点で、これら密接な接触者のうち5人が相次いで発熱等を発症したため、隔離観察中である。

中国衛生部は各地方の衛生部に対し、SARSに対する警戒を強化し、インフルエンザ様症状疾患と原因不明肺炎のサーベイランスを行い、SARSの早期発見、早期報告、早期隔離、早期治療を実現することを求めた。

中国衛生部はこの状況を世界保健機関(WHO)、香港、マカオなどへ連絡した。


*注: 中国独自の症例定義で臨床診断に基づく

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(2004/4/23掲載)

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