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3/28/2003

重症急性呼吸器症候群(SARS)−11


(仮訳)

WHO勧告
海外旅行にともなうSARSの拡大防止対策
(3月27日、更新第11報)


WHOは本日国際旅行に関して新しい拡大防止策を勧告した。これは、重症急性呼吸器症候群(SARS)がこれ以上国際的に伝播するリスクを防止することを目的とするものである。
勧告された対策には、少数の伝播確認地域から、他の国へ出発する航空機の搭乗客をスクリーニングすることが含まれている。SARSの病原体がその地域内でヒト‐ヒトの感染環で伝播している事が知られている「伝播確認地域」は、継続的に監視下に置き、毎日WHOホームページに状況を掲載している。現状では、4カ国だけがこのような注意を必要としている。(「伝播確認地域」参照)

世界のその他の地域の空港で出発客に対するスクリーニングを行なうといった、追加の予防的措置は勧告されていない。

各国の保健当局と空港・港湾当局は、SARSに感染していることが疑われる症状を伴う疾病を感知するために、限定された特定地域から出発する旅行客へのインタビューを含むスクリーニング方法を取るよう考慮するべきであると勧告している。

国家当局は、SARSの伝播が報告されている地域から出国する便の旅行客が発熱している場合には、回復するまで旅行を延期するよう勧告することができる。国際旅行をする旅行者は総て、SARSの症状に十分に注意し、仮に症状を発症した際には直ちに医療機関を受診するべきである。(下記は感染症情報センター翻訳版へリンクしています)Clinicians hold virtual conference on management of SARS patients

2月末にSARSの世界的なサーベイランスが開始されてから、少数ながら「疑い例」と「可能性例」の人たちが、少数の伝播確認地域から他の国へ空路出発していることを示す証拠がある。

引き続きほとんどの症例は、SARS患者と直接の密接な接触があった人の間で生じている。このような直接の密接な接触は、機内で咳や鼻水の症状があるSARS感染者の近くへ座った人の間で起こる事が考えられる。

WHOは航空各社に対しても機内でSARSの「疑い例」が出た場合に取るべき対応の、段階ごとに詳細な勧告を出している。また、WHOの勧告には、患者と疑われる乗客と密接な接触があったと考えられる同乗客の、経過観察に関する段階を追った対応方法への助言と、これらの乗客とその家族に与えられるべき明確な指示を含んでいる。

WHOは患者との接触者はSARSに該当する症状を発症しない限り旅程を継続する事が許されると提言している。

WHOの症例定義は、サーベイランスの目的で広く利用されており、WHOのウエッブサイトへ掲載され、常に検討が続けられている。(下記は感染症情報センター翻訳版へリンクしています)Case Definitions for Surveillance of Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS)

多くの国の保健当局も、国際旅行をする旅行者へのSARSに関した助言を発表している。


 
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