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中華人民共和国衛生部(新聞稿)

 広東省から新たにSARS確定例1例(要旨)

 (プレスリリース 2004/1/31)



中国衛生部広報室は、広東省で1例のSARS確定例が診断されたと発表した。

この患者は、40歳の男性で、広州市赤大塘在住の某医院の医師である。患者は、2004年1月7日の夜に発熱(37.4℃)し、のどの痛み、鼻閉感、脱力感などの症状を呈した。13日に広州医学院付属第一病院の外来を受診し、14日に胸部レントゲン撮影を受け右中肺野の炎症を認めた。16日に体温は39℃まで上昇し、再び同院の救急外来を受診し、同日呼吸器科において右下肺野の肺炎の診断で入院となった。抗菌薬投与による治療を受け、18日の夜には平熱へ解熱し、病状も安定している。調査も行われたが、患者は動物やSARS症例への接触歴は無いといっている。2003年の前半の患者にも、同じように接触歴が明らかでない者もいた。

広東省広州市の疾病対策予防センター(広州CDC)は1月18日に、血液および咽頭拭い検体を平行して検査し、SARSウイルス核酸のPCR陰性、23日に血清抗体価の測定が4倍以上で陽性であった。24日に広州市専門家委員会が患者を診断し、SARSの疑い例と判断した。25日に広東省の専門家委員会により、SARS確定例と診断した。中国衛生部は1月26日に広東省衛生庁の報告を受けて、中国疾病対策予防センター(中国CDC)に患者検体の再検査を支持した。1月27日にこの検査結果が報告され、患者の糞便、咽頭拭い検体からSARSウイルス核酸はPCRで陰性となり、血清抗体価は陽性であった。その後、世界保健機関(WHO)のネットワークの研究施設において再び検査し、1月30日午後に示された結果では、1月14日の血清からのPCRでSARSウイルス核酸が陽性、20日の糞便で陽性、24日糞便が陰性であった。各方面の意見を総合し、専門家委員会はこの症例をSARS確定例と判断した。これに伴い、中国衛生部はWHO中国支部に報告した。

この患者はすでに治癒し退院している。9名の密接な接触者と39名の日常的接触者は、医学的観察と自宅隔離下におかれているが、いままでのところ発熱等の報告は無い。

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(2004/2/2掲載)

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