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中国南部のSARSの疑われた症例(WPRO)

マニラ 2003/12/26

中国南部でSARS疑い症例

12月26日金曜日に、中国衛生部から北京の世界保健機関(WHO)へ、広東省広州の病院にひとりのSARS疑い例がいることが報告された。中国衛生部は、衛生部と広東省からの専門家から成る合同委員会によって検討したのちに、この症例をSARS疑い例と診断した。

この患者は、32歳の広州出身のテレビプロデューサーと伝えられているが、入院隔離中である。彼の状態は安定していると伝えられており、体温も3日間平熱が続いている。

中国衛生部からWHOへ報告された情報によると、この患者は12月16日に発熱と頭痛を発症した。彼は12月20日に中山大学附属第一医院(Zhongshan University 1st Affiliated Hospital)を受診し、肺炎であると診断された。胸部レントゲン写真では、右下肺野に所見があり、経過観察のため、その日から隔離下に置かれた。この患者は12月24日に、広州市第八人民医院(Guangzhou 8th People's Hospital)へ搬送された。

臨床検査は、中国疾病対策予防センター(中国CDC)下にある2つと、広東省疾病対策予防センター(広東省CDC)下のひとつの、3つの検査施設で行われた。中国衛生部からWHOへ、検査結果はSARS−CoV感染の可能性を示唆するものであったと報告された。しかしながら、この時点での検査結果は確定的なものではなく、最終的な結論を出すにはさらに検査を行うことが必要である。WHOは、検査結果の国際的検証のために、検体を海外へ送付することを提案した。

衛生部はまた、患者に関連ある接触者のすべてが特定でき、検査され、幾人かは依然隔離され経過観察下にあるが健康状態は良いと思われる。

中国衛生部からWHOに対し、すでに行われた検査の結果の解釈と検証の手助けと、さらに調査を進める上での支援に、検査の専門家を派遣してくれる様に依頼があった。この専門家は来週早々に北京へ到着する予定である。中国保健当局はまた、検査キットを含めた医療装備の支援も依頼した。

中国衛生部は、疫学的調査の結果によるとこの患者は、発症前2週間に医療従事者や動物取り扱い業者のような高リスク群との接触の記憶は無いと伝えている。したがって現時点では、SARSの感染源は明らかになっていない。

12月28日以降さらに情報を希望される方は、北京のRoy Wadia氏に連絡を(+86 1361 117 4072)取ってください。欧州での問い合わせは、Dick Thompson氏へ(+4122 791 2684 または +4179 475 5475)お願いします。

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2004/1/5 掲載 IDSC

 
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