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カナダのオンタリオ州でのSARS集団発生を否定

2003/8/25 WHO

WHOは、カナダの老人介護施設における呼吸器感染症の集団発生に関するSARSの可能性についての詳細な調査を行った結果、この疾病はSARSではないとの結論を出した。

ブリティッシュ・コロンビア州サリーの医療施設で、143人の入所者とスタッフが原因不明の呼吸器疾患に罹患したことが、8月14日にカナダ公衆衛生担当者からWHOへ報告された。初期の検査結果の中には、SARSコロナウイルスが関与している可能性を示唆したものもあった。

現在WHOとカナダ保険当局は、十分な証拠を集め、このブリティッシュ・コロンビアの集団発生がSARSではないと結論付けた。カナダと米国の検査施設の検査結果からは、初期に懸念されたような、SARSがより軽症な疾病に変異した事実は確認できなかった。

2系統の事実が、SARSかもしれないという懸念の払拭に集中した。

臨床上今回の疾病は、春に発生したSARSの集団発生から驚くほど大きく異なっていた。現在の集団発生の特徴には、低致死率、鼻水、ほとんどの症例で発熱がないこと、胸部レントゲン上でSARS様の所見を認めないことなどが含まれた。

この集団発生の原因となっているウイルスの一部分の遺伝子配列から、これがSARSコロナウイルスではなく、「OC43」として知られている、別のヒトコロナウイルスであることが分かった。このウイルスは、いわゆる普通の風邪の一因であるが、他の国においても老人介護施設での呼吸器感染症の集団発生と関連付けられている。

SARSという観点からは、カナダは引き続き旅行者にとって安全な目的地であるし、カナダからの旅行者も、他国に対し何ら特別なリスクは与えない。

この集団発生は、国際的公衆衛生対策の対象とはならない。

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(更新日:2003/8/28)