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ブリティッシュ・コロンビア州政府、老人介護施設のインフルエンザ様疾患の対策を急ぐ

2003/8/14 バンクーバー
ブリティッシュ・コロンビア疾病対策センター及びフレーザー ヘルス オーソリティ発



ノースサリーの老人介護施設のインフルエンザ様疾患の集団発生を公衆衛生当局が調査中である。

Kinsmen Place Lodgeにおける集団発生は、Fraser Health Authorityとブリティッシュ・コロンビア疾病対策センター(BCCDC)により、7月前半から積極的に対策がとられ、先週にはわずか数人の症例が検知されるに至り、収束に向かっていると見られる。

7月から8月始めにかけ、同施設の142人の入所者のうち97人が発症したが、ほとんどは軽い風邪様症状(鼻水と咳)だけであった。160人のスタッフのうち46人が同様の症状を示した。ほとんどが、完全に回復している。

保健当局は6週間で7人が死亡したことに注目しているが、このうち4人の死亡はこの疾患と関連がない。残りの3人については肺炎がその原因であった。

「ブリティッシュ・コロンビア州は強力な公衆衛生的サーベイランスのネットワークを持っており、保健当局はいかなる集団発生も非常に真剣に取り組んでいる。集団発生で、多くの患者とスタッフが影響を受けている場合には、原因の究明に取り組んでいる」と、BCCDCの疫学部長David Patrick博士は述べている。

Fraser Health Authorityは、BCCDC、地方医療保健担当官、ヘルスカナダと連携し、原因の特定に努力している。

ウイニペグの国立微生物学研究所で行われた検査は、ヒトメタニューモウイルスやSARSコロナウイルス類似のウイルスまで、多くのウイルスに対して陽性結果を得た。これらの患者で、今年初めにブリティッシュ・コロンビアとオンタリオ両州で見られた先のSARS症例の特徴にあてはまる症例は無かった。

「検査結果は集団発生の特徴から考えて驚きであった。症状と疾病の経過はSARS感染に該当するものでは無く、この集団発生に関与している者のうち、伝播感染地域へ渡航歴のある者も、SARS症例に接触があった者も無かった。ウイルスがSARSコロナウイルスの様に見えたとしても、SARSウイルスの様な活動はしていないように見受けられる」とPatrick博士は述べている。

Kinsmen Place Lodgeは、既に導入されている感染制御対策に加え予防的措置として、2003年7月1日以降に居住者間にSARSウイルスの伝播が生じた可能性がある場所に追加された。

「明らかな医学的、臨床的研究に基づき原因が解明されるまで、慎重を期するつもりである。この集団発生を通して、感染予防策が基本対応として実施されている。このような検査結果が出たことを受けて、今後もFraser Healthは確立したSARS予防措置を継続して実施して行く予定である」と、Fraser Health Authority の医療保険担当官Roland Guasparini博士は発言している。

7月始めに集団発生が起こったとき、感染拡大を防止するために最大限の予防措置が取られた。これにより集団発生は封じ込められ、現在、感染伝播効率と新規症例数は非常に低い数字へ低下した。

Kinsmen Place Lodgeは、集団発生が検知されたときから、訪問と入所の制限を行っている。有症状患者には予防的隔離措置がとられ、今後も継続される予定である。これに加え、スタッフには複数施設での勤務をしないように、また発症したスタッフは勤務に就かないように指導がなされた。

2003年7月1日以降にKinsmen Place Lodgeを訪問した方で、咳嗽と38℃以上の発熱が有る場合は、BC NurseLineに連絡をとってください。ブリティッシュ・コロンビア州内からの場合は866 215-4700、あるいはバンクーバー地域(Greater Vancouver)からは604 215-4700です。聴力障害がある方用のサービスは1 866-889-4700です。

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(更新日:2003/8/20)