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(ア) 次亜塩素酸ナトリウム:
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有効塩素濃度は0.02-0.05%(200-500ppm)で1時間以上浸漬使用することが多いが、確実な殺ウイルス作用を期待するためには0.1%(1,000ppm)以上30分以上の作用が有効である。
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布、金属に対して腐食性があり、有機物が付着していると効果が低下する。
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人体には使用できない。
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リネンには0.1%(1,000ppm)で30分浸漬後水洗、食器などには水洗後0.01-0.02%(100-200ppm)で5分以上浸漬する。
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排泄物の消毒には0.1-1%(1,000-10,000ppm)濃度が有効である。
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(イ) 消毒用エタノール(約80%):
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人体に対する毒性が少なく、手指の消毒などに適している。ただし、密閉した容器に保存しないとアルコール分が蒸発し、濃度が保たれないため効果が激減する。
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脱脂効果のため皮膚が荒れることがあるので、スキンケアが重要である。
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粘膜面には使用できない。アルコール系消毒剤として、イソプロバノール(70%)が使用されることもあるが、ウイルスに対する効果はエタノールより劣っている。
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手指の消毒には速乾性皮膚消毒剤(例:商品名ウエルパス、ヒビスコールなど;塩化ベンザルコニウム又はグルコン酸クロルヘキシジン、エタノール、界面活性剤、湿潤剤含有)の利用頻度が高い。
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血液などが付着している場合などには、内部まで届かないことがあり洗い落とす必要がある。
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引火性があるので、取り扱いに注意が必要であり、広範囲な噴霧には向いていない。また、消防法での規制がある。
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(ウ) 過酢酸:
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低濃度(0.001-0.2%)で芽胞を含むすべての微生物に対して効果がある。また、有機物が存在していても有効である。
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最終的に水、酸素、酢酸に分解し、有害物質が残留しない。
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一部の金属を腐食する。
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刺激臭がある。
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(エ) グルタルアルデヒド(2%、pH8):
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化学作用、蛋白変性作用が強く、殺菌力も強いためあらゆる微生物を消毒することが可能である。
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刺激が強いため人体には使用できない。
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器具の消毒には血液や体液を十分に除去した後、2%グルタラール液に1時間浸漬の後、十分に水洗する。
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排泄物や体液の消毒には2時間以上浸漬する方が確実である。
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床の消毒には0.2%液で清拭し、30分以上放置の後、水拭きする。
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内視鏡の消毒などには、3%液での15分消毒が過程に組み込まれていることがある。
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消毒にあたっては保護具の使用、換気が必要である。
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(オ) ホルムアルデヒド(液体:1-5%溶液、ガス:1m 3あたりホルマリン15ml以上を水40ml以上と共に噴霧又は蒸発させ、7-24時間):
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液体は医療器具の浸漬消毒あるいは清拭に用いる。
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室内の殺菌をする場合にガス状にして使用することができるが、毒性、刺激性が強い。
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(カ) エチレンオキサイドガス:
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濃度約500mg/L、55-60℃、3時間以上処理。中央材料室などで非耐熱性器具等の滅菌に利用する。その後のガス残留がないように注意する。
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吸入すると気道の炎症や吐気、めまい、神経症状を起こし、催奇性、発癌性のリスクも指摘されているため、十分に換気することが必要である。
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(キ) ヨウ素系消毒剤(ヨードホール):
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ヨウ素とキャリア(非イオン系界面活性剤)の複合体を作り、水溶液としたものである。アルカリ性になると効果がなくなり、有機物の混在によって効果が減弱する。
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喀痰や血液が付着していると効果は著しく低下する。
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一般の金属には腐食作用があり、皮膚、粘膜、布類への着色がある。
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手術部位の皮膚消毒には10%溶液、10%エタノール液が用いられる。
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手指、皮膚の消毒に7.5%スクラブ液も用いられる。
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創傷部位の消毒には10%ゲルが用いられる。
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うがいには7%濃度のものを添付書類の指示に従って希釈し用いられる。
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高濃度のヨウ素系消毒剤には皮膚に対する刺激作用があり、ヨード過敏症を起こすことがある。
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