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3/31/2003


(仮訳)


追悼 Carlo Urbani博士
(3月29日)


感染症の専門家であるCarlo Urbani博士が本日、SARSのために逝去した。彼はカンボジア、ラオス、ベトナムの公衆衛生計画に携わり、ベトナムのハノイに駐在していた。未だ46歳であった。

Urbani博士は、ハノイの病院に入院したアメリカ人のビジネスマンから、この新しい感染症の集団発生を検知した最初のWHO専門官であった。彼がこの疾病を早期に検知したことで、世界的なサーベイランスが強化され、多くの新規患者が発見され、病院の医療従事者に二次感染が生じる前に隔離する事ができた。ハノイではSARSの集団発生は制御されつつあると思われる。

ベトナムにおける世界保健機関(WHO)代表のPascale Brudon氏は以下のように語った。「Carloはすばらしい人だった。我々は皆途方にくれている。彼は根っからの医者で、第一の目的は人々を助けることだった。彼こそが非常に素早く、これが何かとても異様なことだと気が付いた人だった。病院で人々が心配をし始めたときには、彼は毎日出てきて患者から検体を採り、スタッフへ話しかけ、感染制御対策を強化した」と。
Urbani博士は既婚で、三人のお子さんたちがいる。

博士はイタリアのAncona大学で医学士の学位を受け、マラリアと医寄生虫学の分野で卒後研究を行った。彼は学童の寄生虫感染症の分野の専門家であった。彼はまた、イタリア国境無き医師団(Medecins Sans Frontieres)の総裁でもあった。

WHO事務総長Gro Harlem Brundtland博士は、「Carlo Urbani博士の死をWHOの皆が深く悼んでいる。彼の生き様は、我々に真に公衆衛生的な仕事とは何かを再び思い出させてくれた。本日我々はこの優秀な臨床医の人生を思い、一時の黙祷をささげようではないか」と語った。



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