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◆ レジオネラ症 1999年4月〜2006年(2007年2月28日現在) |
感染症法のもとで報告されたレジオネラ症は、1999年(4月〜)56例、2000年154例、2001年86例、2002年167例、2003年146例、2004年161例、2005年281例であり、2006年は517例であった(2007年2月28日現在)(図1)。2000年3月に静岡県(温泉:23例)、2000年6月に茨城県(総合福祉センター入浴施設:24例)、2002年7月に宮崎県(温泉:34例)で、いずれも循環式浴槽水による集団感染があり、また、2002年8月に鹿児島県(9例)で同じく循環式温泉施設によると推定される集団感染がみられた(4事例については順に、IASR Vol.21 No.9 p.188、同p.3-4 、IASR Vol.24 No.2 p.3-5、同p.5-6 参照)(図2)。その後は、大規模な集団発生事例は認められていないものの、2005年、2006年と報告数は著明に増加している。
1999年4月〜2006年の累積報告数1,568例のうち、発症月の記載のある1,458例(1999年4月以前の発症例を除く)についてみると、前述の集団発生を除けば、発症月に明らかな偏りは認められなかった(図2)。 報告のあった都道府県別にみると、東京都173例、愛知県107例、大阪府93例、静岡県88例、埼玉県73例、神奈川県66例、新潟県65例、茨城県58例、宮城県51例、兵庫県51例が多かった(図3)。また、従来、感染地域としては日本(国内)も含め国名までであったものが、2006年第13週からは、国内の都道府県名など、より詳細な地域が可能な限り報告されることとなった。2006年第13〜52週の報告432例について、報告都道府県と感染地域とされた都道府県を比較すると、静岡県、長野県、山口県などでは感染地域とされた数が報告数より多く、東京都、千葉県、愛知県などでは報告数が感染地域とされた数より多かった(図4)。 1,568例の性別は、男性1,366例、女性202例であり、男性が圧倒的に多く87.1%を占めた。年齢中央値は64歳(0〜102歳)であり、年齢群(10歳毎)別にみると0〜9歳(12例)、10〜19歳(7例)、20〜29歳(13例)、30〜39歳(22例)、40〜49歳(108例)、50〜59歳(417例)、60〜69歳(473例)、70〜79(380例)、80〜90歳(117例)、90歳以上(19例)で、50歳以上が89.7%を占めた。男女別にみると、男性は年齢中央値が63歳(0〜98歳)で、60代、50代、70代の順に多く、女性は年齢中央値が70歳(0〜102歳)で、70代、60代、80代の順に多かった(図5)。 診断方法を年次別にみると、大きな変化が認められた。1999年には約20%を占めるに過ぎなかった尿中抗原検査法は、年々その割合を増し、2006年には90%以上の症例で実施されていた。2006年に報告された517例に限ってみると、尿中抗原のみが479例であり、尿中抗原+培養が7例、尿中抗原+血清診断(単一血清)が1例、PCR法単独が3例、培養が12例、PCR+培養が3例、培養+血清診断が11例(ペア血清5例、単一血清6例)であった(図6)。即ち、尿中抗原検査が487例(94.2%)に実施されているのに比べ、培養は22例(4.3%)に実施されたのみであった。 |
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