国立感染症研究所 感染症情報センター
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Q15. 抗インフルエンザウイルス薬に耐性を持った鳥インフルエンザウイルスのヒト感染例が見つかったとの報道がありましたが、新型インフルエンザ対策に影響がありますか?

Q16

鳥インフルエンザウイルスに感染し、症状がみられた患者から見つかったH5N1亜型ウイルスが、その後の研究で抗インフルエンザウイルス薬のオセルタミビル(タミフル)への耐性を持っていたことがわかりました(Le QM, et al. 2005.、de Jong et al. 2005.)。

 H5N1亜型ウイルスが今後パンデミックを起こしうる可能性を持っており、オセルタミビルがワクチンとともに新型インフルエンザ対策の「医薬品による対策」の主力と考えられていることから考えると、その耐性ウイルスが発見されたことは重要な意味を持つ可能性があります。

 しかし、このウイルスにもオセルタミビル以外の抗ウイルス薬が有効でした。また、このようなウイルスの報告はこれまでのところごく少数であり、かつ、このウイルスが再びヒトに感染したという証拠もありません。そのため、世界の専門家はオセルタミビルは依然としてH5N1亜型ウイルスに対して有効と考えており、WHO(世界保健機関)も備蓄を勧告しています。もちろん、薬剤耐性ウイルスとその対策については、今後も更なる研究を行っていく必要があります。






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