国立感染症研究所 感染症情報センター
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Q13. 新型インフルエンザの治療法はありますか?

Q14

 現在のところ、新型インフルエンザの原因としてどのようなウイルスが発生するのかわかりませんので、明確に言うことはできません。しかし、原因となるウイルスがその薬剤に耐性をすでに持っていない限り、A型インフルエンザに効果のある抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビル、ザナミビルなど)が有効であると考えられています(感染症情報センター インフルエンザQ&A 医療従事者Q5参照)。少なくとも、今アジアで問題となっている、H5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスには、実験上では効果があることが判明しています。しかし、これまでのヒト患者への使用報告では使用開始時期が遅すぎた可能性があるなどの理由から、実際にヒトで効果があるかどうかの確証は得られていません。また、実際の効果について懐疑的な意見もあり、その最適な投与量や投与期間についても十分な知見が得られていません。現状では、発病して早期に使用すれば効果が期待できると考えられていますが、今後も症例を集積して検討していくことが必要です。

 また、1918年のスペインインフルエンザの遺伝子を含んで人工的に再構成されたインフルエンザウイルスの実験により、スペインフルのウイルスは、現在使用されている抗インフルエンザ薬である、リマンタジンとオセルタミビルに感受性があることを示唆しています。

 また、ウイルス感染に加えて、細菌(ウイルスとは異なる種類の微生物)による肺炎などの感染(二次感染といいます)がおこることにより症状が重症になることがありますが、この際は抗菌剤が投与されます。そのほかに、肺への障害が大きい場合は人工呼吸器の使用などが行われます。

 実際の新型インフルエンザの治療法に関しては、新型インフルエンザが発生し、その疾患の特徴が明らかになった段階で、速やかに検討、改良、開発されることになると考えられます。






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