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17. |
インフルエンザワクチンの接種は効果があるのですか? |
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18. |
インフルエンザワクチンの製造やワクチン株の選定はどのように行われているのですか? |
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19. |
インフルエンザのワクチンはいつごろ接種するのが効果的でしょうか? |
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20. |
インフルエンザワクチンの接種はどこでできますか? |
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21. |
インフルエンザワクチンの接種の対象となるのはどのような人でしょうか?定期接種の場合と、任意接種の場合に分けて説明してください。 |
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22. |
インフルエンザのワクチン接種を受けることが適当でない人や接種時に注意が必要な人はありますか? |
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23. |
卵やゼラチンにアレルギーのある人にインフルエンザの予防接種はできるでしょうか? |
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24. |
授乳中にインフルエンザワクチンを接種しても問題はありませんか? |
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25. |
インフルエンザワクチンの接種を考えたときに、ウイルス疾患に罹患したり、定期予防接種の時期と重なった場合にはどうすればよいですか? |
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26. |
インフルエンザの予防接種は何回受ければよいのでしょうか? |
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27. |
インフルエンザワクチンの接種に関するガイドラインはありますか? |
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28. |
インフルエンザワクチンの接種による副反応にはどのようなものがありますか? |
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29. |
インフルエンザワクチンに神経疾患の原因となる水銀(チメロサール)が含まれているというのは本当ですか? |
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30. |
インフルエンザワクチンで著しい健康被害が発生した場合は、どのような対応がなされるのですか? |
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31. |
インフルエンザのワクチン接種費用はどうなるのですか? |
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32. |
インフルエンザワクチンは国によって違うのでしょうか? |
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33. |
日本で接種できるインフルエンザワクチンは、鳥インフルエンザに対する予防効果はありますか? |
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インフルエンザワクチンでインフルエンザ脳症を予防できますか? |
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17. |
インフルエンザワクチンの接種は効果があるのですか? |
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インフルエンザワクチンの接種を行うことで、インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待できます。このワクチンの効果は、年齢、本人の体調、そのシーズンのインフルエンザの流行株とワクチンに含まれている株の抗原性の合致状況によっても変わります。
米国では「予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)」から、ワクチン株と流行株が一致している場合には、65歳以下の健常成人での発症予防効果は70〜90%、自宅で生活している高齢者の場合は、60歳以上で発症予防効果は58%程度で、70歳以上ではさらに低下するであろうと報告されています。施設内で生活している高齢者での発症予防効果は20〜40%と下がりますが、インフルエンザに関連する死亡の予防効果は80%みられたと報告されています。65歳以上の高齢者においては、医学的ハイリスク状態の有無に関わらず、インフルエンザのワクチン接種が二次性の合併症の発生頻度やインフルエンザに関連する入院や死亡の危険性を減少させるといわれています。また、A/H3N2亜型とA/H1N1亜型が流行した年におけるインフルエンザによる呼吸器疾患の予防効果は、1〜15歳の小児では77〜91%であったとの報告があります。また3〜9歳の健康小児では56%の発症予防効果などが報告されています。詳しくは、ACIPの報告書(Prevention and Control of Influenza. MMWR 2008;57(RR-7):1-59)をご参照ください。
日本では、厚生科学研究費による「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷 齊(国立療養所三重病院))」の報告によると、65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとしています。また、同じく厚生科学研究費による「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に対する研究(主任研究者:神谷 齊(国立療養所三重病院)・加地正郎(久留米大学))」では、
1) 1歳未満児については対象数が少なく、有効性を示す確証は認められなかった。
2) 1歳以上6歳未満児については、発熱を指標とした有効率は20-30%となり、接種の意義は認められた。
としています。
インフルエンザに対する治療薬も実用化されていますが、感染前にワクチンで予防することがインフルエンザに対する最も有効な防御手段です。特に65歳以上の方や基礎疾患を有する方(心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方、又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方)では、インフルエンザが重症化しやすいので、かかりつけの医師とよく相談のうえ、接種を受けられることをお勧めします。
また、インフルエンザの流行株は毎年変化しますし、ワクチン接種による重症化の予防に有効な免疫レベルの持続期間はおよそ5ヵ月間となっていますので、毎年シーズン前にワクチン接種を受けることが必要です(Q19参照)。また毎年その年に流行が予測されるウイルス株を使用してワクチンは製造されますので、当該シーズンのワクチンを、インフルエンザが流行する前に接種し、免疫を高めておくことが大切です(Q19,Q20参照)。
なお、当然のことですが、インフルエンザワクチンの接種ではSARSや、ヒトに感染例が認められている鳥インフルエンザ(A/H5N1亜型)はもちろん、他のウイルスによる「かぜ」(かぜ症候群)にも効果はありません。
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18. |
インフルエンザワクチンの製造やワクチン株の選定はどのように行われているのですか? |
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日本で使用されているワクチンは、ワクチン製造用のインフルエンザウイルスを発育鶏卵の尿膜腔内に接種して培養、増殖させ、漿尿液から遠心にて濃縮・精製し、ウイルス粒子をエーテル等で処理し、その副反応の原因と考えられる脂質成分の大部分を除去したHA(ヘマグルチニン)画分浮遊液とし、更にホルマリンで不活化(病原性をなくすこと)したHAワクチンです。このように、インフルエンザワクチンは発育鶏卵から作られるため、急な大量生産は出来ませんので、毎年種々の状況を検討し、生産量が慎重に決められています。
インフルエンザワクチンに含まれるウイルス株は、基本的に世界保健機関(WHO)が、世界中からのデータと世界中のインフルエンザの専門家の意見を元に各シーズン毎の推奨株を決定しており、日本ではそれらをもとにシーズン前の人々の抗体保有状況、昨シーズンや世界各国のインフルエンザの流行状況を考慮し、毎年、専門家会議の結果を受けて厚生労働省によって決定されています。現在のインフルエンザワクチンには、A型2種類およびB型1種類が含まれており、A/H1N1亜型(ソ連型)、A/H3N2亜型(香港型)、B型のいずれの型にも効果があります。ワクチンはそのシーズンに流行すると予測されるウイルスを使用して製造されますが、ワクチンに含まれている株とその年の流行株が異なった場合には、ワクチンの効果は減少します。平成20年度のインフルエンザHAワクチン製造株については 、 A型株:A/Brisbane(ブリスベン)/59/2007(H1N1)およびA/Uruguay(ウルグアイ)/716/2007(H3N2)、B型株:B/Florida(フロリダ)/4/2006が決定され、今シーズン(2008/09シーズン)のワクチン供給予定量は平成20年9月18日時点で2,630万(うち、40万本を不足時の融通用として確保)です。(Q15参照)
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19. |
インフルエンザのワクチンはいつごろ接種するのが効果的でしょうか? |
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インフルエンザに対するワクチンは、個人差はありますが、接種からその効果が現れるまで通常約2週間程度かかり、約5カ月間その効果が持続するとされています。また、過去にまったく感染歴やワクチン接種歴の無い場合と、免疫学的記憶のある場合のブースターとではワクチンの効果に差があると考えられています。最近では春季から夏季にかけて地域的な流行が見られる場合もありますが、通常日本のインフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬が中心となりますので、12月上旬までには接種をすまされることをお勧めします。2回接種の場合は、2回目は1回目から1〜4週間(免疫効果を考慮すると4週間が望ましい)あけて接種しますので、1回目をさらに早めに接種した方が良いでしょう。
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20. |
インフルエンザワクチンの接種はどこでできますか? |
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地域の医療機関、かかりつけ医などでインフルエンザワクチンを受けることが可能です。任意接種では接種可能期間に制限はありませんが、予防接種法に基づく接種やワクチン接種の奨励事業などでは、各自治体によって期間や費用の点でも異なることがあります。ワクチン接種が可能な医療機関や地域での取り組みについては、それぞれの地域の保健所、医師会、医療機関、かかりつけ医などに問い合わせていただくようお願いします。
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21. |
インフルエンザワクチンの接種の対象となるのはどのような人でしょうか?定期接種の場合と、任意接種の場合に分けて説明してください。 |
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予防接種法では、インフルエンザワクチンは定期接種二類疾病に位置づけられ、接種を受ける法律上の義務は無く、かつ、自らの意思で接種を希望する者のみに接種を行うこととされています。定期接種の対象者は、重症化と死亡の報告が多い65歳以上の高齢者の方と、60〜64歳の基礎疾患がある方(心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方、又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方)です。
任意接種では、医学的に接種が不適当と考えられた場合を除けば、基本的にはインフルエンザの発症と重症化を防ぎたい方すべてが対象となります(Q7、Q17参照)。
特に、基礎疾患がある方(心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方、又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方)は、ワクチン接種を考慮すべきであると考えられます。
小児については、平成16年10月31日に日本小児科学会より、「1歳以上6歳未満の乳児については、インフルエンザによる合併症のリスクを鑑み、有効率20〜30%であることを説明したうえで任意接種としてワクチン接種を推奨することが現段階で適切な方向であると考える」との見解が出されています。根拠としては、1歳未満児については対象数が少なく、有効性を示す確証は認められなかったこと、1歳以上6歳未満児については、発熱を指標とした有効率は20〜30%となり、接種の意義が認められたことがあげられています(Q17参照)。
小児において気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全などの基礎疾患を有している場合、6カ月から18歳の小児で長期間アスピリンを服用している場合(ライ症候群を発症する危険があるため)、集団生活に入っている場合なども、インフルエンザに罹患した場合に重症化や合併症のリスクが高くなるため、接種を考慮すると良いと考えられます。日本小児科学会からも「基礎疾患を有する乳幼児については従来と同様の考え方であり、インフルエンザ感染により重症化が容易に予測されるような場合においては、インフルエンザワクチン接種は健康乳幼児より強く勧められる」との見解が出されています。
また、重症化や合併症のリスクが高い方の家族や、医療従事者などの様にインフルエンザを発症することによって重症化が予想される方と身近で接する機会の多い方も、ワクチンの接種を考慮すると良いと思われます。なお欧米では、乳幼児もインフルエンザの重症化率が高いと報告されており、ワクチン接種による予防が望ましいと考えられ、米国などでは6カ月から18歳までの者(昨年までは6カ月から59カ月未満の乳幼児)に接種を勧めています。いずれの場合もワクチンの接種に際しては、かかりつけの医師とご相談ください。
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22. |
インフルエンザのワクチン接種を受けることが適当でない人や接種時に注意が必要な人はありますか? |
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1) 予防接種法に基づいたインフルエンザワクチンの定期接種が不適当と考えられる方は、予防接種実施規則に以下のように示されています。任意接種については接種不適当者の明記はありませんが、医学的見地からは、上記定期予防接種に準じて、被接種者に対し十分な説明を行い接種の可否を判断してください。
< 予防接種実施規則第6条による接種不適当者(抜粋)>
- 明らかな発熱*を呈している者
*:通常は、37.5℃を超える場合をいいます。
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーショックを呈したことが明らかな者
- その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
※平成17年6月16日各都道府県知事宛厚生労働省健康局長通知「定期のインフルエンザ予防接種の実施について(健発第0616002号)」のインフルエンザ予防接種実施要領により、《予防接種2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者並びに過去に免疫不全の診断がされている者》は、上記(4)その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者に該当するとされていましたが、平成19年3月29日各都道府県知事宛厚生労働省健康局長通知「インフルエンザの定期の予防接種実施要領の一部改正について(健発第0329021号)」のインフルエンザ予防接種実施要領により、過去に免疫不全の診断がされている者は削除となりました。
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インフルエンザ予防接種ガイドライン(インフルエンザ予防接種ガイドライン等検討委員会:平成15年9月改編)、インフルエンザワクチンの添付文書に記載されている接種要注意者は、以下の通りです。
| 【接種要注意者】
接種要注意者とは、接種の判断を行うに際し、注意を要する者を指すものであり、禁忌者ではない。
この場合、接種を受ける者の健康状態及び体質を勘案し接種の可否を判断し、接種を行う際には被接種者に対して、改めて十分に効果や副反応などについて説明し、被接種者が十分に理解した上での接種希望であることを確認し、注意して接種を行う必要がある。
接種要注意者は以下のとおり。
- 心臓血管系疾患、じん臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有することが明らかな者。
- 前回のインフルエンザ予防接種で2日以内に発熱のみられた者又は全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。(ただし、平成17年度から、定期の予防接種に際しては、予防接種を行うことが不適当な状態にある者(接種不適当者)に変更になっています。)
- 過去にけいれんの既往のある者。
- 気管支喘息のある患者。
- インフルエンザワクチンの成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来の物に対して、アレルギーを呈するおそれのある者。
注:平成19年度から、過去に免疫不全の診断がなされている者は削除されました。
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2) インフルエンザワクチン接種の適応に関しては、年齢の下限はありませんが、通常生後6カ月未満の乳児にはワクチンを接種しません。これは、ワクチンの効果および、ワクチン接種後の副反応に関しての研究がまだ少なく、十分な知見が得られていないこと、また、この月齢までは母体由来免疫の効果が期待できることなどが主な理由です。このような場合には、同居する家族がワクチンなどでインフルエンザを予防するといった方法が考えられます。
3) インフルエンザワクチンはウイルスの病原性をなくした不活化ワクチンであり、胎児に影響を与えるとは考えられていないため、妊婦は接種不適当者には含まれていません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、ワクチンの中でインフルエンザウイルスは生きていません。そのため、胎児に直接影響を与えることはありません。妊婦は接種不適当者(いわゆる接種禁忌)には含まれていませんが、国内では、妊婦または妊娠している可能性の高い女性に対するインフルエンザワクチン接種に関して、調査成績が十分に集積されていないため、米国のように勧奨の対象にはなっていません。ただし、妊婦がインフルエンザにかかると、重症になる場合が多く、使える薬も限られています。ワクチンによって重症化を予防した方が利益があると考えられた場合には、ワクチンを接種しておかれると良いと思います。
インフルエンザワクチンの接種とは関係なく、一般的に妊娠初期は自然流産が起こりやすい時期であり、この時期の予防接種は避けた方がよいと考えられます。 一方米国では、「予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices)」の提言により、妊娠期間がインフルエンザシーズンと重なる女性は、ワクチンを接種するのが望ましいとされています(Prevention and Control of Influenza. MMWR 2008;57(RR-7):1-59参照)。
これまでのところ、妊婦にワクチンを接種した場合に生ずる特別な副反応の報告は無く、また、妊娠初期にインフルエンザワクチンを接種しても胎児に異常の出る確率が高くなったというデータも無いことから、予防接種直後に妊娠が判明しても、胎児への影響を心配して人工妊娠中絶を考慮する必要はありません。 同様に、ワクチン接種による精子への影響もありませんので、妊娠を希望しているカップルの男性の接種にも問題はありません。
4) 熱性けいれんの既往がある方に対するワクチンの接種に関しては、日本小児神経学会の見解(平成18年3月)では、「現行の予防接種はすべて行って差し支えないが、保護者に対して予防接種の有用性、副反応(発熱の時期やその頻度他)などについての十分な説明をして同意を得ることに加え、具体的な発熱時の対策(けいれん予防を中心に)や、万一けいれんが出現した際の対策を指導すること」となっています。詳細については、予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)の参考2の2−ア「2.過去にけいれんの既往のある者 ア熱性けいれんの既往のある者」をご参照ください。
○予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)参考2の2(PDF)
(財団法人予防接種リサーチセンター、予防接種ガイドライン等検討委員会)
5) てんかんの既往がある方に対しては、厚生労働科学研究事業の「ハイリスク児・者に対する接種基準と副反応に関する研究班」の2003年の見解では、「コントロールが良好なてんかんをもつ小児では、最終発作から2-3カ月程度経過し、体調が安定していれば現行のすべてのワクチンを接種しても差し支えなく、コントロールが良好以外のてんかんをもつ小児においても、その発作状況がよく確認されており、病状と体調が安定していれば、主治医(接種医)が適切と判断した時期にすべての予防接種をしても差し支えないとしています。また、「発熱によってけいれん発作が誘発されやすいてんかん児(重症ミオクロニーてんかんなど)では、副反応による発熱が生じた場合の発作予防策(ジアゼパム坐剤、経口剤など)と万一発作時の対策を指導しておく。いずれの場合も、事前に保護者への十分な説明と同意が必要である」などと、なっています。予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)の参考2の2−イ「2.過去にけいれんの既往のある者 イてんかんの既往のある者」を参照の上、てんかんを治療している主治医あるいはその依頼に基づき、事例ごとに検討して、ワクチンを接種するか、しないかを決めるのが望ましいと考えます。
○予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)参考2の2-イ(PDF)
(財団法人予防接種リサーチセンター、予防接種ガイドライン等検討委員会)
また、既往などから、接種の判断を行うに際して注意を必要とする方(接種要注意者)がおられますが、この方々は接種不適当者ではありません。ただし、接種を受ける方の健康状態及び体質を勘案して接種の可否を判断し、接種を行う際には被接種者に対して、改めて十分に効果や副反応などについて説明し、被接種者が十分に理解した上での接種希望であることを確認した上で、注意して接種を行う必要があります。詳細については「予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)」をご覧ください。
○予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)
(財団法人予防接種リサーチセンター、予防接種ガイドライン等検討委員会)
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23. |
卵やゼラチンにアレルギーのある人にインフルエンザの予防接種はできるでしょうか? |
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卵アレルギーの程度にもよりますが、ほとんどの場合問題なく接種できます。
インフルエンザワクチンは、その製造過程において、インフルエンザウイルスの増殖に発育鶏卵を用いるために、最終製品であるワクチンの中に、ごくわずかながら鶏卵由来のタンパク成分が残って、それによるアレルギー症状がまれに起こることがありえます。しかし、近年は高度に精製され、その量は極めて微量であり、通常は卵アレルギーがあってもほとんど問題となりません。しかしながら、鶏卵を食べてひどい蕁麻疹や発疹を生じたり、口腔内がしびれたりする方や、卵成分でアナフィラキシーショックを起こしたことがあるような、重篤な卵アレルギー(卵摂取でアナフィラキシー反応等)がある方は、ワクチン接種を避けるか、インフルエンザの罹患リスクとワクチン接種に伴う副反応リスクとを考慮して、接種前にかかりつけの医師とよく相談のうえ、十分に注意して接種することを勧めます。接種ワクチン液による皮内反応を事前に実施するなどの方法を採る場合もあります。
日本小児アレルギー学会の見解(平成18年3月)によると、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アレルギー体質などといわれているだけででは、予防接種不適当者にはならないとされており、ワクチン成分に対してアレルギーを有すると考えられる者(卵白RAST陽性、又は卵接種後の蕁麻疹の既往など)が予防接種要注意者に該当するとされています。詳細は予防接種ガイドライン参考2の4「接種しようとする接種液の成分に対して,アレルギーを呈するおそれのある者」を参照してください。
○予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)参考2の4(PDF)
(財団法人予防接種リサーチセンター、予防接種ガイドライン等検討委員会)
また、ワクチンに安定剤として含まれていたゼラチンに対するアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が報告されていましたが、現在、インフルエンザワクチンを生産している国内4社からの製品にはいずれも、ゼラチンは含まれていません。
○予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)
(財団法人予防接種リサーチセンター、予防接種ガイドライン等検討委員会)
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授乳中にインフルエンザワクチンを接種しても問題はありませんか? |
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授乳期間中でも、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、病原性をなくしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。また、母親がワクチン接種を受けることで、乳児へのインフルエンザの予防効果を期待することもできません(Q18、Q21、Q22参照)。
授乳期間中にインフルエンザウイルスに感染した場合も、このウイルスは主に気道系の上皮細胞で増殖しますので、血液中にウイルスが存在することは極めて稀です。また、存在した場合でも非常に微量であると言われています。したがって、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられます。
しかしながら、母親と乳児は日常から極めて濃厚に接触しているため、母親のインフルエンザ罹患中には、母乳とは関係のない感染経路によって、乳児に感染する可能性が高いのではないかという不安の声も聞かれます。確かに、インフルエンザは主に発病者の口から発する飛沫で感染するため、1〜2メートルという近い距離での濃厚接触によって、感染の危険性が増加するというのは事実ですが、母乳が乳児にとって極めて重要であるというのも事実です。また、インフルエンザ患者は発症前からウイルスを排出しているので、発病した母親が体調の異常に気付いたときには、すでに乳児にもインフルエンザウイルスが感染している可能性があります。一方では発症後の方がウイルス量は多いので、感染の危険性は増大するという指摘もあります。こういったことから、個々の状況に応じて現実的に対応することが必要でしょう。少なくとも、赤ちゃんに接触する前には飛沫が付着している可能性が高い手をしっかりと洗っておくことや、授乳時にはマスクを装着するなどできるだけの予防策をとることは合理的な方法でしょう。
なお、抗インフルエンザ薬を使用した場合は、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されていることから、授乳を避けることとなっています。(Q5を参照)。
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インフルエンザワクチンの接種を考えたときに、ウイルス疾患に罹患したり、定期予防接種の時期と重なった場合にはどうすればよいですか? |
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予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)によると、「麻疹,風疹,水痘及びおたふくかぜ等に罹患した場合には,全身状態の改善を待って接種する。医学的には,個体の免疫状態の回復を考え、麻疹に関しては治癒後4週間程度、その他(風疹,水痘及びおたふくかぜ等)の疾病については治癒後2〜4週間程度の間隔をあけて接種する。その他のウイルス性疾患(突発性発疹,手足口病,伝染性紅斑など)に関しては,治癒後1〜2週間の間隔をあけて接種する。しかし,いずれの場合も一般状態を主治医が判断し,対象疾病に対する予防接種のその時点での重要性を考慮し決定する。また,これらの疾患の患者と接触し,潜伏期間内にあることが明らかな場合には,患児の状況を考慮して接種を決定する」となっています(予防接種ガイドライン6-2「疾病罹患後の間隔」(PDF)参照)。すなわち麻疹などに罹患した後は、しばらくの間免疫能が低下していることがあるため、接種したインフルエンザワクチンによる免疫が十分に獲得できない場合があり、上記のように期間をあけて接種した方が良いとされています。
小児の定期予防接種と日程が重なった場合は、基本的には定期の予防接種を優先しますが、地域でのその予防接種対象疾患の流行状況やインフルエンザの流行の状況からインフルエンザワクチンの接種を優先する場合もありますので、かかりつけの医師と十分ご相談のうえ判断して下さい。
定期接種に限らず、生ワクチン(ポリオ、麻疹、風疹、麻疹風疹混合(MR)、BCG、水痘、流行性耳下腺炎など)であれば27日以上、不活化ワクチンやトキソイド(DPT、DT、日本脳炎、B型肝炎など)であれば6日以上間隔をおけば、インフルエンザワクチンは接種可能となります。複数のワクチンの同時接種は、医師が特に必要と認めた場合、可能です。ただしその際、別々の場所に接種する必要があります。
またインフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので、インフルエンザワクチンを接種後は、6日以上間隔をおけば他のワクチン(生ワクチン、不活化ワクチンとも)接種が可能となります。ただし、2回接種の場合は、1回目と2回目の接種間隔が1〜4週間(免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい)とされていますので、接種スケジュールについて、かかりつけの医師とよく相談してください(Q19)。
○予防接種ガイドライン(2008年3月改訂版)
(財団法人予防接種リサーチセンター、予防接種ガイドライン等検討委員会)
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26. |
インフルエンザの予防接種は何回受ければよいのでしょうか? |
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現在、日本で行われているインフルエンザの予防接種に使用するインフルエンザHAワクチンについては、平成12年4月に中央薬事審議会において検討が行われ、平成12年7月から薬事法上の用法・用量が以下のようになっています。
| 年齢群 |
接種用量・方法 |
接種間隔・回数 |
| 13歳以上 |
0.5mlを皮下 |
1回又はおよそ1〜4週間(免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい)の間隔をおいて2回接種 |
| 6〜13歳未満 |
0.3mlを皮下 |
およそ1〜4週間(免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい)の間隔をおいて2回接種 |
| 1〜6歳未満 |
0.2mlを皮下 |
| 1歳未満 |
0.1mlを皮下 |
65歳以上の高齢者に対しては1回の接種でも効果があり、2回接種による免疫の強化に関する効果(ブースター効果)についての評価は定まっていませんので、現在は1回接種が推奨されています。これは、厚生科学研究費による研究「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷 齊(国立療養所三重病院))」において、高齢者(65歳以上)に対するインフルエンザワクチン1回接種法による有効性の評価を行った結果、接種を行った後の抗体価の上昇は良好であり、重症化は有意に阻止する事が可能であったという報告に基づいています。また、これらの高齢者に接種した際の重篤な全身反応はなく、局所反応も軽微でした。
なお、予防接種法により、「65歳以上の方」、「60歳から64歳までの方で、心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方、又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方」については、年1回、予防接種法による定期接種を受けることができ、予防接種によると認定された健康被害にあった場合には、その1回の接種については、予防接種法による救済制度が適用されます。詳しくは次章の「予防接種法関係」あるいは、健発第1058号厚生労働省健康局長通知「予防接種法の一部を改正する法律等の施行について」をご覧下さい。
13歳以上64歳以下の方で、近年確実にインフルエンザに罹患していたり、昨年インフルエンザの予防接種を受けている方は、1回接種で追加免疫による十分な効果が得られると考えられています。2回接種をしたほうがより抗体価は上昇するという報告と、抗体価に変動はないという報告の双方があり、接種回数が1回か2回かの最終的判断は、被接種者の意思と接種する医師の判断によりますので、接種の際には最近インフルエンザにかかったことがあるかどうか、最近ワクチン接種を受けたことがあるかどうかとその時期、そして現在の体調などを担当医師に十分伝え、よく相談して下さい。
なお欧米諸国では、新しい型のインフルエンザウイルスが出現しない限り、年少児を除いて、ほとんどの人がインフルエンザウイルスに対する基礎免疫を獲得しているので、1回の接種で追加免疫の効果があるとしているところがほとんどです。
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27. |
インフルエンザワクチンの接種に関するガイドラインはありますか? |
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平成15年(2003年)9月に改編された「インフルエンザ予防接種ガイドライン」が厚生労働省から配布されています。
平成20年(2008年)に改訂された「予防接種ガイドライン(財団法人予防接種リサーチセンター、予防接種ガイドライン等検討委員会)にも、インフルエンザに関して一部記載があります(PDF版)。
*平成19年3月29日に改正されたインフルエンザワクチン接種不適当者に関する記載については、「インフルエンザの定期の予防接種実施要領の一部改正について(健発第0329021号)」のインフルエンザ予防接種実施要領Q22を参照してください 。
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28. |
インフルエンザワクチンの接種による副反応にはどのようなものがありますか? |
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一般的に副反応は軽微で、10〜20%で接種局所の発赤、腫脹、疼痛、硬結、熱感、しびれ感等をきたすことがありますが、通常2〜3日で消失します。全身性の反応としては、5〜10%で発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、一過性の意識消失、めまい、リンパ節腫脹、嘔吐・嘔気、下痢、関節痛、筋肉痛などがみられることがありますが、通常は軽微で、やはり2〜3日で消失します。また、ワクチンに対するアレルギー反応として、まれに発疹、じんましん、湿疹、紅斑、掻痒などが数日間見られることもあります。
麻疹ワクチンなどの生ワクチンと混同されることが良くありますが、現在日本で用いられているインフルエンザワクチンはQ18にあるように、不活化ワクチンですので、その接種によってインフルエンザ様の症状を発症することはありません。ワクチン接種後に発熱した場合も、インフルエンザ以外の他の発熱性疾患に罹患した可能性があり(このような場合を、副反応分類上は紛れ込みと呼びます)、必ずしもワクチン製剤そのものによる副反応とは限りません。
重症の卵アレルギーの人には蕁麻疹、発疹、口腔のしびれ、アナフィラキシーショックなどが現れる可能性があります(Q23参照)。その他にギランバレー症候群(GBS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、けいれん、肝機能障害、黄疸、喘息発作などの報告がまれにありますが、これらの疾患とワクチンとの関連についてはまだ明らかになっていません。Prevention and Control of Influenza Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP), 2008(MMWR2008/57(RR07);1-60によると、GBSの既往がある人においては無い人に比べるとGBSを発症する可能性が高いことから、過去にインフルエンザワクチン接種後6週間以内にGBSを発症したことがあり、インフルエンザにより重症の合併症を併発するリスクを持たない人については、接種に際しては、抗インフルエンザウイルス薬の予防投薬等を考慮するなど、ワクチンの接種は慎重に行った方が良いとされています。しかし、限られたデータではあるけれども、GBSの既往を持つ多くの人にとって、インフルエンザにより重症の合併症を併発するリスクを有する人においては、インフルエンザワクチンの利点の方が上回るとされています。
極めてまれですが、接種後に起こった死亡の届け出もあります。薬事法に基づく副反応報告が行われており、因果関係が不明なものも含めてワクチンメーカーが情報を得て厚労省に報告し、インフルエンザ関連の重症例・後遺症例については専門家検討会において症例を検討しています。厚生労働省医薬食品局による医薬品等安全情報No.240(独立行政法人医薬品医療機器総合機構の医薬品・医療機器等安全性情報に掲載:2008年現在URL; http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_anzen/anzen_index.html)に記載されているように、平成19年度の報告では、ワクチンの推定出荷本数は昨年度、約2,257万本に対して、ワクチンとの因果関係が不明なものを含め、製造販売業者等からインフルエンザワクチン接種によるものとして、薬事法第77条の4の2第1項に基づき報告された副作用は190件でした。このうち下記の表に記載した4名が死亡していますが、いずれもワクチン接種との因果関係は評価できないとされています。
| 死亡例 |
年齢・性別 |
副作用名 |
専門委員による評価 |
| 1 |
80代,男性 |
肺臓炎:ワクチン接種1日後に肺炎、呼吸不全と診断され、2日後に死亡 |
発症時期が早く、また気管支肺炎を合併していることから、ワクチン接種との因果関係は評価できない |
| 2 |
80代,女性 |
高血圧、脳出血:ワクチン接種2日後に高血圧、脳出血により死亡 |
原疾患や合併症の影響も考えられるため、ワクチン接種との因果関係は評価できない |
| 3 |
80代,女性 |
好中球減少症、肺炎、発熱、湿性咳嗽:基礎疾患として2型糖尿病、高血圧、慢性腎不全あり。ワクチン接種1日後に発熱、2日後に受診し、肺炎、好中球減少、大球性性色素性貧血を認めた。各種抗菌薬、G-CSF製剤、利尿薬等の投薬治療が行われたが反応せず、接種4日後に死亡 |
ワクチン接種によって好中球減少をきたしたと考えた場合、接種から好中球減少発現までの期間が短い。また、血液検査等の状況の詳細が不明であり、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は評価できない |
| 4 |
70代,女性 |
死亡:既往歴・合併症として腸閉塞、乳癌、肺結核あり。接種前の体調は問題なく、ワクチンを接種したが、4日後に浴室で亡くなっているところを発見された。接種後の本人の様子は不明 |
接種から死亡に至った詳細が不明であり、情報不足のためにワクチン接種との因果関係は評価できない |
インフルエンザワクチンは毎年多くの方に接種されており、これらの届け出例の多くは、予防接種と直接の因果関係はなく、偶然起こったものであると考えられます。昭和51年から平成6年までの、主に小児に対して接種が行われていた頃の統計では、インフルエンザワクチン接種により引き起こされたことが完全には否定できないとして、救済対象と認定された死亡事故は約2,500万接種あたり1件でした。厚生労働省により、予防接種後副反応報告制度に基づいた報告を集計した結果が発表されていますので、詳細はそちらをご参照ください。
○平成17年度予防接種後副反応報告書集計報告書 ○医薬品・医療機器等安全性情報No.251(PDF)
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29. |
インフルエンザワクチンに神経疾患の原因となる水銀(チメロサール)が含まれているというのは本当ですか? |
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日本の製品を含め、世界で生産されているインフルエンザワクチンをはじめとしたほとんどの不活化ワクチンには、1930年頃よりチメロサールという輸送・保存時の防腐剤が、容器内の細菌などによる汚染を防ぐ目的で含まれていました。チメロサロールは約49%のエチル水銀を含んでいますが、健康被害が報告されているメチル水銀とは異なり、神経組織を始めとした臓器親和性は低く、その半減期(体内に取り込まれた量が半分に減るのに要する期間)も短くて、1週間未満(メチル水銀は半減期約1カ月半)とされています。現在のところ、実際的な健康被害の報告も、局所の発赤や軽度腫脹、発疹などが主体であり、重大な健康被害(神経疾患など)を生じるといった研究報告もありませんが、水銀製剤であるということから理論上のリスクに対する問題点が議論されています。WHOは当面はチメロサロールを可能な限り減量し、将来的には代換えとなる保存剤を開発し、これを除くことを各国に向けて勧告しています。本邦でもこの勧告を受け入れ、除去ないし減量の方向で努力が続けられ、現在市場に流通している製品には、痕跡程度の量(0.004 mg/ml〜0.008 mg/ml)のチメロサールしか含まれていません。また、最近ではチメロサールが含まれていない製品も出荷されています。しかし、このような製品は従来のものに比べて保存がきかず、細菌などの微生物が繁殖しやすいため、その管理や取り扱いにはこれまで以上の注意が必要です。また、価格や接種手技上の問題点も残っています。
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30. |
インフルエンザワクチンで著しい健康被害が発生した場合は、どのような対応がなされるのですか? |
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予防接種法による定期接種の場合、予防接種を受けたことによる健康被害であると厚生労働大臣が認定した場合に、予防接種法に基づく健康被害の救済措置の対象となります。詳しくは次章の「予防接種法関係」をご覧下さい。
また、予防接種法の定期接種によらない任意の接種によって健康被害が生じた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による被害救済の対象となります。健康被害の内容、程度等に応じて、薬事・食品衛生審議会(副作用被害判定部会)での審議を経た後、医療費、医療手当、障害年金、遺族年金、遺族一時金などが支給されますが、この場合でも厚生労働大臣の判定が必要です。
新たに創設された生物由来製剤感染等被害救済制度により、生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず、その製品が原因で感染症にかかり、入院が必要なほどの健康被害が生じた場合の救済も行われることになりました(平成16年4月1日以降に使用された生物由来製品によって生じた感染被害が対象)。
以上の救済制度の内容については、下記のウェブサイトを参照するか、あるいは独立行政法人医薬品医療機器総合機構、一般相談窓口TEL:03-3506-9506、救済制度相談窓口TEL:0120-149-931フリーダイヤル)にご照会ください。
○医薬品副作用被害救済制度
○生物由来製剤感染等被害救済制度
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31. |
インフルエンザのワクチン接種費用はどうなるのですか? |
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65歳以上の方、及び60歳以上65歳未満の方で心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方、又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方は、予防接種法による定期の予防接種法による定期の予防接種の接種対象となります。詳しくはQ35,Q36,Q37、Q38をご覧下さい(60歳以上65歳未満の方で、対象となるかどうかわからない場合は、居住地の市町村または特別区にお尋ね下さい)。各市町村または特別区により予防接種期間や、自己負担額が異なりますので、個別の情報については、それぞれの地域の市町村または特別区へお問い合わせください。
また、そのほかの方の接種は従来どおりの任意接種で、ご本人と医療機関との契約により行うこととなりますので、費用も全額自己負担となります(接種費用は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律により一定の価格の設定が禁じられており、医療機関により算定方法が異なりますので、接種を受ける医療機関へお問い合わせください)。使用されるワクチンはすべて、厚生労働省の決定したワクチン株を使用し、国家検定を受けています。
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32. |
インフルエンザワクチンは国によって違うのでしょうか? |
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インフルエンザワクチン株の選定はワクチンを生産するほとんどの国で、WHOにより2月中旬頃までに出される「北半球次シーズンに対するワクチン推奨株」に基づき、自国およびその他の国々における諸情報を総合的に判断して決定しています。つまり、各国(各ワクチン生産会社)が独自に決定することになりますが、基本的にはWHOの推奨株の情報をもとにしているため、ワクチン株が国によってまったく異なるということはこれまでほとんどありませんでした。また、毎年のインフルエンザシーズンにおいて、国ごとに主に流行するインフルエンザウイルスの型(A/H1N1亜型、A/H3N2亜型、B型)が異なることはありますが、流行した3つの(亜)型における抗原性が、国ごとに大きく異なっていたことはほとんどありませんでした。流行しているインフルエンザウイルスの抗原性がワクチン株と同じである限り、たとえば日本で接種したワクチンも、米国で流行しているインフルエンザに効果がありますし、逆に米国で接種したワクチンも、日本で流行中のインフルエンザに対して効果があることになります。但し、南半球と北半球ではインフルエンザの流行シーズンが異なるため、推奨されるワクチン株が異なる場合があること、ワクチンの製造方法や添加物などは国によって若干の違いがあるため、免疫原性(抗体産生の効果)や副反応の頻度には差があります。
インフルエンザワクチンは基本的には個人の発症や重症化予防のために行うものであり、外国への出張予定者も、インフルエンザウイルスに感染した後のインフルエンザの発症や重症化を防ぐためには、インフルエンザワクチンの接種は効果があります(Q17参照)。また、A/H5N1亜型のインフルエンザウイルスに代表される高病原性鳥インフルエンザ対策としても、医療従事者に対してや、流行地域に滞在する人に対しては、インフルエンザワクチン接種が推奨されています。もちろん、通常のインフルエンザワクチンでは、鳥インフルエンザに対して予防効果はありません(Q17,Q18,Q33参照)。これは、通常ヒト−ヒト間で流行しているインフルエンザウイルスに感染する可能性を低くしておくことによって、万が一、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した場合でも、感染者の体内でヒトインフルエンザウイルスとの遺伝子の組み換えが起こる可能性を低くし、新型インフルエンザウイルス発生の危険性を少しでも減じるためです。
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33. |
日本で接種できるインフルエンザワクチンは、鳥インフルエンザに対する予防効果はありますか? |
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日本国内で接種をうけることのできるインフルエンザワクチンは、現在ヒトの間で流行しているA型2種類(A/H1N1亜型、A/H3N2亜型)およびB型1種類のインフルエンザHAワクチンです(Q18)。特定の国の鳥類の間で流行しているA/H5亜型、A/H7亜型などのインフルエンザウイルスとはHAの抗原性が異なりますので、感染予防効果も、重症化防止の効果も期待できません(Q17, Q18)。
参照:鳥インフルエンザに関するQ&A(感染症情報センター)
A/H5N1亜型に対する沈降新型インフルエンザワクチンが国内でも承認されていますが、通常の季節性インフルエンザワクチンのように一般の医療機関で接種を受けることはできません。2008年現在、検疫所職員等水際対策に従事する者や感染症指定医療機関職員等で、希望する者に対して、約6000人規模で、安全性、有効性の臨床研究が実施されています。(研究代表者:国立病院機構三重病院庵原俊昭)(IASR Vol. 29 p. 187-189: 2008年7月号:参照)
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34. |
インフルエンザワクチンでインフルエンザ脳症を予防できますか? |
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インフルエンザ脳症に対するインフルエンザワクチンの予防効果については、厚生労働科学研究「インフルエンザ脳症の発症因子の解明と治療および予防方法の確立に関する研究」(主任研究者:森島恒雄(岡山大学)のもとでデータが蓄積されつつあります。これまでの調査では、インフルエンザ脳症を発症した事例の間で、ワクチン接種の有無について有意な差は無く、インフルエンザワクチンの接種によるインフルエンザ脳症の予防、インフルエンザ脳症の重症化の予防について、明らかな証拠は見いだされていませんが、統計解析に用いることのできるインフルエンザ脳症例が極めて少ないため、現時点で明確な結論を出すことはできないと考えられています。
今後も更に研究・調査が継続されますが、インフルエンザワクチンの接種により、インフルエンザの発症が防げるのであれば、理論的にはインフルエンザ脳症の発症リスクは回避あるいは軽減されるとも考えられます。また、インフルエンザ発病から中枢神経系障害をおこすまでの期間が短い(大半がインフルエンザの発病日かその翌日)ことから、ワクチン接種が発症者の症状の軽減に寄与するならば、インフルエンザ脳症発生の予防としても有効であろうとの意見もあります。
インフルエンザ脳症はインフルエンザに罹患しなければ発症しないので、インフルエンザ脳症の発生リスクが高い1歳〜5歳児だけではなく、周囲のヒト(家族、保育園・幼稚園職員など)にワクチンを接種し、これらの幼児のインフルエンザウイルスへの曝露機会を減らすことが勧められます。
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