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1. |
インフルエンザとはどういう病気ですか? |
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2. |
インフルエンザの症状と診断方法について教えてください。 |
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3. |
インフルエンザの合併症について教えてください。 |
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4. |
インフルエンザにはどんな治療法がありますか? |
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5. |
インフルエンザの治療薬や予防薬はありますか? |
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6. |
インフルエンザの発熱に対して解熱薬を使用する場合の注意事項について教えてください。 |
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7. |
インフルエンザの予防法について教えてください。 |
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8. |
インフルエンザに罹患後、どのくらいの期間学校あるいは職場を休めばよいのでしょうか? |
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9. |
インフルエンザ患者の病室や衣類の管理はどのようにしたらよいでしょうか? |
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1. |
インフルエンザとはどういう病気ですか? |
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インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、鼻咽頭、のど、気管支などを標的臓器とします。急に発症する38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などに加えて、咽頭痛、鼻汁、咳などの症状も見られます。大多数の人では特に治療を行なわなくても約1週間で自然治癒します。しかしながら、乳幼児、高齢者、基礎疾患をもつ人では、気管支炎、肺炎などを併発したり基礎疾患の悪化を招いたりするなどして、最悪の場合死に至ることもあります。
普通のかぜとインフルエンザは、症状に多少の類似性があるものの疾病としては全く違うものです。普通のかぜはライノウイルスやコロナウイルス等の感染によって起こり、咽頭痛、鼻汁、咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。また、インフルエンザは、基本的に流行性疾患であり、一旦流行が始まると、短期間に乳幼児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込むという点でも普通のかぜとは異なります。
名前の似ているヘモフィルス・インフルエンザ菌という細菌がありますが、これは以前インフルエンザの原因と間違われたためについた名称で、インフルエンザの原因ではありません。また、2003年前半に、アジアを中心に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)はSARSコロナウイルスによる感染症であり、インフルエンザとは異なる疾患です。詳細はSARSに関するQ&A をご覧ください。
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2. |
インフルエンザの症状と診断方法について教えてください。 |
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インフルエンザの症状としては、突然の38〜39℃を超える発熱と頭痛、関節痛、筋肉痛などに加え、鼻汁、咽頭痛、咳などの上気道炎症状がみられ、全身倦怠感等の全身症状が強いことが特徴です。流行期(我が国では例年11月〜4月)にこれらの症状がみられた場合はインフルエンザの可能性が高いと考えられます。潜伏期は1日から5日(平均3日間)とされています。通常、症状は約1週間で軽快することがほとんどですが、肺炎などを合併する場合もあり注意が必要です。また、インフルエンザには、軽症例や非特異的な症状を呈する例も多く、流行のピーク以外の時期に臨床所見だけで他の疾患と鑑別することは困難です。
確定診断は、咽頭ぬぐい液、うがい液、鼻腔吸引液などからのウイルス分離や、血液検査で抗体価の有意な上昇(抗体陽転あるいは急性期と回復期で4倍以上の上昇)の確認で行いますが、検査に日数を要することから臨床現場での実用性は高くありません。しかし、流行中のウイルス種の同定や、次シーズンのワクチン株選定のためにはこれらの検体からのウイルス分離が重要な情報となります。
臨床現場での診断補助のためには、発症早期にインフルエンザウイルス抗原を検出するための迅速診断キットがすでに普及しており、通常30分以内に結果を判定でき、ベッドサイドや外来でも診断が可能です。現在、13種類の迅速診断キットが流通しています。検査の感度は、検体の種類や採取時期、キットの種類により異なります。添付文書等を参照してください。
迅速診断キットには下記のような種類があります。
(以下は2008年12月現在市販されていることが確認されている迅速診断キットの一部であり、国立感染症研究所として推奨しているものではありません。)
| 商品名 |
発売元・ホームページ |
| エスプライン インフルエンザA&B-N |
富士レビオ
www.fujirebio.co.jp |
| キャピリア Flu A+B |
日本ベクトン・ディッキンソン
www.bdj.co.jp |
| ディレクティジェンFlu A+B |
| BD Flu エグザマン |
| クイックS-インフルA・B |
デンカ生研
www.denka-seiken.co.jp |
| クイックチェイサー Flu A, B |
ミズホメディー
www.mizuho-m.co.jp |
| QuickVueラピッドSP influ |
DSファーマバイオメディカル
www.dspbio.co.jp
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| スタットマーク インフルエンザ A/B |
カイノス
www.kainos.co.jp |
| チェックFlu A ・B |
アルフレッサ ファーマ
www.alfresa-pharma.co.jp |
| タミテスト インフルエンザ AB |
ロシュダイアグノスティック
www.roche-diagnostics.jp |
| ポクテム インフルエンザ A/B |
シスメックス
www.sysmex.co.jp |
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3. |
インフルエンザの合併症について教えてください。 |
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抵抗力の弱い高齢者・乳幼児、気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全(免疫抑制剤による免疫低下も含む)などの方は、インフルエンザにかかると合併症を併発する場合があります。高齢者では細菌の二次感染による肺炎、気管支炎、慢性気管支炎の増悪が起こりえます。また、乳幼児では中耳炎や熱性けいれんが起こりえます。また、その他の合併症としては、ウイルスそのものによる肺炎や気管支炎、心筋炎、アスピリンとの関連が指摘されているライ症候群などが挙げられます。合併症の状況によっては入院を要したり、死亡したりする例もあり注意を要します。過去3シーズンのインフルエンザ脳症は51例(2005/06シーズン)、45例(2006/07シーズン)、34例(2007/08シーズン)の報告がありました(IASR Vol.29 No.11, p 297-298)。現在研究班などでその病態の解明が進められています(Q34、脳症の項を参照)。
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4. |
インフルエンザにはどんな治療法がありますか? |
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他の疾患にも共通して言えることですが、早めに治療し、からだを休めることは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。一般的な注意点は、以下のようなことです。
- かぜだと考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。
- 安静にして、休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。
- 水分を十分に補給しましょう。お茶、ジュース、スープなど飲みたいもので結構です。
インフルエンザに対する特異的な治療として、1998年11月から抗インフルエンザウイルス治療薬(Q5参照)が使用できるようになりました。また、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなりますが、このような細菌の混合感染による肺炎、気管支炎などの合併症に対する治療として抗菌薬が使用されます。これらの薬の効果については、インフルエンザの症状が出はじめてからの時間や病状により異なりますので、使用する、しないは医師の判断となります。なお、一般の感冒薬(かぜ薬)と言われるものは、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。
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5. |
インフルエンザの治療薬や予防薬はありますか? |
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A. 治療薬 |
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本邦では1998年11月に、インフルエンザの治療薬として塩酸アマンタジン(商品名シンメトレル)が認可されましたが、この薬剤は従来、パーキンソン病の治療薬として1970年代から用いられてきましたが、抗インフルエンザウイルス効果を持つことがわかってきました。インフルエンザウイルスは、生体の細胞表面に吸着し、エンドサイトーシスで細胞内にとりこまれ、M2イオンチャネルが活性化されます。塩酸アマンタジンはM2イオンチャネルを阻害することにより、ウイルス粒子の細胞核内への輸送を阻止することで、抗ウイルス活性をもつと言われています。このようにA型だけが持つM蛋白に作用するため、A型インフルエンザのみにしか効果はありません。
また、2001年2月に、リン酸オセルタミビル(商品名タミフル)とザナミビル(商品名リレンザ)がインフルエンザに対して健康保険の適応となりました。インフルエンザウイルスが生体の細胞から細胞へ感染・伝播していくためには、ウイルス表面に存在するノイラミニダーゼが不可欠です。リン酸オセルタミビルとザナミビルはこの作用をブロックすることによって、増殖したインフルエンザウイルスが細胞外へ出て行くことを阻害する抗インフルエンザウイルス薬です。ノイラミニダーゼはA、B型に共通であることから、A型、B型インフルエンザ両方に効果があります。リン酸オセルタミビルは経口薬、ザナミビルは吸入薬です。2002年4月にはリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)ドライシロップが健康保険の適応となり、1歳以上の小児で使用可能となっています。
これらのノイラミニダーゼを阻害する抗インフルエンザウイルス薬は、発症後48時間以内に服用することにより、合併症のないインフルエンザでの罹病期間を短縮することが確認されています。また、ハイリスク患者においてもそれまで健常な患者においても、下気道感染症や抗菌薬を必要とするような合併症、あるいは入院を減少させたという報告があります。
抗インフルエンザウイルス薬はいずれも、医師の処方が必要な薬剤です。
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B. 塩酸アマンタジンを投与あるいは内服する際の注意事項 |
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塩酸アマンタジンの副作用としては、主として嘔気などの消化器症状やふらつき、不眠、悪夢、幻覚、妄想などの精神神経症状がときに出現することがあります。また内服後は車の運転を避けることなどの注意が必要です。
また、塩酸アマンタジンは催奇性が疑われるため、妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌となっています。授乳婦に投与する場合は、乳児に対する安全性も確立していませんし、乳汁中に薬剤が移行することが動物実験などで報告されていることから、投薬中の授乳を避けることが勧められます。またインフルエンザの予防や治療の投与中に自殺企図の報告があるので、精神障害のある患者、中枢神経に作用する薬剤の投与中の患者、てんかん又はその既往歴のある患者へは患者を注意深く観察するという警告が出ています。
アマンタジンを投与された患者の約30%でアマンタジン耐性のA型インフルエンザウイルスが出現するという報告があります。また、近年日本を含む多くの国で流行しているA型インフルエンザウイルスのほとんどは、アマンタジン耐性であることが報告されています(VIRUS REPORT. 2006; 3(1): 40-47 および MMWR 2006 Jan; 55(02): 44-46参照)。これらのことから、投薬には注意が必要であり、投与期間を1週間程度に止めることという使用上の注意が出されています。
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C.リン酸オセルタミビルやザナミビルを投与あるいは内服する際の注意事項 |
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副作用は、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が報告されています。リン酸オセルタミビル服用と異常行動の関連については、次項で詳しく述べます
リン酸オセルタミビルやザナミビルに関しては、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験では薬剤の胎盤通過性が報告されており、治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ投与することとなっています。
授乳婦に投与する場合は、乳児に対する安全性も確立していませんし、乳汁中に薬剤が移行することが動物実験などで報告されていることから、投薬中の授乳を避けることが勧められます。
リン酸オセルタミビルは1歳未満の乳児に対する投与の安全性および有効性が確立しておらず、ザナミビルは4歳以下の乳児および幼児に対する投与の安全性が確立していません。これらの年齢の児に対する投与には注意が必要です。
また最近、リン酸オセルタミビルにおいても耐性ウイルスの出現が報告されました。アマンタジン耐性、オセルタミビル耐性となったインフルエンザウイルスによる感染が容易に生じるかどうかは不明ですが、いずれにせよむやみな使用は慎むべきと考えられます。
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D.リン酸オセルタミビルと異常行動の関連 |
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2005 年11月に開催された第36回小児感染症学会総会において、リン酸オセルタミビル服用後の異常行動に関する報告がなされました。これに対して米国食品医薬品局(FDA)は、同学会で発表された症例を含むリン酸オセルタミビル内服後の小児死亡例に関して、報告された小児死亡とリン酸オセルタミビルとの間に因果関係があるとは結論づけられない、との見解を示しました。日本小児科学会も、リン酸オセルタミビルとこれらの死亡についての因果関係が明らかなものはないものの、今後も十分な市販後調査の継続と適切な公表を望むとしています。さらに、2006年11月に開催された第37回小児感染症学会における厚生労働省調査研究班(横田ら)の発表によれば、全国12都県の小児科医に対して行った調査で、医師 2,846件、患者・家族2,545件の回答から、リン酸オセルタミビルと異常言動との関連性は、リン酸オセルタミビルを使用しなかった群の発現頻度は10.6%、リン酸オセルタミビルを使用した群の発現頻度は 11.9%で、有意差を認めなかったとしています。
しかし一方で、リン酸オセルタミビル内服後早期に興奮状態に至ったという症例も同学会で報告されており、現在も継続して調査が実施されています。また、2006年11月13日に米国食品医薬品局(FDA)は、リン酸オセルタミビルと異常行動についての因果関係ははっきりしていないが、リン酸オセルタミビル服用後しばらくの間に異常行動がでる可能性も考えて、インフルエンザ患者、特に小児においては、経過中異常な行動がでないかどうか、きちんと経過観察しておくべきであると報告しています。
本邦におきましては、2007年2月28日に厚生労働省より、以下のような注意喚起がインフルエンザ治療に携わる医療関係者に対して行なわれました。『万が一の事故を防止するための予防的な対応として、特に小児・未成年者については、インフルエンザと診断され治療が開始された後は、タミフルの処方の有無を問わず異常行動発現のおそれがあることから 自宅において療養を行う場合、異常行動の発現のおそれについて説明すること、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮すること』
その後、3月20日、厚生労働省は、以下のような内容で薬剤会社に対して、緊急安全性情報の発出および添付文書の改訂を指示しています。『10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。また小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、異常行動の発現のおそれがあること、自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。』
リン酸オセルタミビルと異常行動に関しては、今後の更なる調査と広い情報収集、および注意深い解釈が必要であると考えられます。
厚生労働省 医薬食品局安全対策課 タミフル服用後の異常行動について(緊急安全性情報の発出の指示)
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E.インフルエンザの予防薬としてのリン酸オセルタミビル |
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2004年7月、リン酸オセルタミビルに対し、成人および13歳以上の小児を対象に予防薬としての効能追加が承認されました。米国の成績ですが、予防効果は82%と報告されています。その使用は、インフルエンザを発症している患者と同居する高齢者や慢性疾患をかかえるいわゆるハイリスク患者を対象としています。また、予防薬としての投与は健康保険の適応外であり、治療に使用する場合と同様に医師の処方が必要です。また、用法・用量も治療に使用する場合と異なっており、治療に使用する場合は1日2回、1回75mg(5日間)であるのに対して、予防投与の場合は1日1回75mg(7日間〜10日間)です。なお、リン酸オセルタミビルの予防投与はワクチンによる予防に置き換わるものではありません。
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6. |
インフルエンザの発熱に対して解熱薬を使用する場合の注意事項について教えてください。 |
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解熱剤には、インフルエンザに罹患している際には使用を避けなければならないものがあります。例えば、アスピリンなどのサリチル酸系解熱鎮痛薬は、15歳未満のインフルエンザ患者へは投与しないことになっています。
医薬品・医療用具等安全性情報No.151「ライ症候群とサリチル酸系製剤の使用について」(1998年12月)
医薬品・医療用具等安全性情報No.167「サリチル酸系製剤の小児に対するより慎重な使用について」(2001年6月)
ジクロフェナクナトリウムを含む解熱剤についても、15歳未満のインフルエンザの患者へは投与しないことになっています。また、1999年度のインフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班のよる研究では、インフルエンザ脳炎・脳症を発症した患者においてジクロフェナクナトリウム又はメフェナム酸の使用群が、解熱剤未使用群と比較してわずかながら有意に死亡率が高いと報告され、2000年度の調査では、ジクロフェナクナトリウムの使用群と他の解熱剤使用群との比較をした結果、ジクロフェナクナトリウムの使用群についてより高い有意性をもって死亡率が高いことが示されました。また、本症の脳の病理学的検査が行われ、脳血管に損傷が生じていることが特徴的に見出されました。この研究結果を踏まえ厚生労働省では、ジクロフェナクナトリウムについて、明確な因果関係は認められないものの、インフルエンザ脳炎・脳症患者に対する投与を禁忌とすることとし、ジクロフェナクナトリウムを含有する解熱剤を製造、販売する関係企業に対し、使用上の注意の改訂等を指示しました。
厚生労働省発表資料「小児のライ症候群等に関するジクロフェナクナトリウムの使用上の注意の改訂について」(2001年5月30日)
医薬品・医療用具等安全性情報No.163「インフルエンザ脳炎・脳症患者に対するジクロフェナクナトリウム製剤の使用について」(2000年11月)
メフェナム酸を使った解熱剤についても、厚生労働省が主催した会議における小児科の医師、インフルエンザ脳炎・脳症の研究者などの意見の一致に基づいて、アスピリン、ジクロフェナクナトリウムと同様に15歳未満の小児のインフルエンザに伴う発熱に対して投与しないことになっています。
厚生労働省発表資料「インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について」(2001年5月30日)
厚生労働省医薬品情報提供システム 使用上の注意改訂情報(2001年6月15日)
日本小児科学会では2000年11月に、小児のインフルエンザに伴う発熱に対して使用するのであればより危険の少ないアセトアミノフェンが適切であり、非ステロイド系消炎剤の使用は慎重にすべきである旨の見解を公表しました。2004年10月時点では、成人のインフルエンザに対する解熱剤投与に関しての勧告は出されておらず、医師の判断に委ねられています。参考までに、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸がインフルエンザ発症時の解熱剤として小児への使用が禁止されている理由のひとつとして、これらの薬剤が血管内皮細胞障害を修復する酵素の働きを抑制するため、脳症を発症した場合に重症化することが予想されている点があります。成人ではインフルエンザ脳症を発症する頻度は低いとされていますが、これらの薬剤の作用機序は同じであるため、 脳症発症時には同様のリスクを考慮すべきであると考えられます。
なお、医療機関では医師が患者の状態を診察して、その状態に合ったものを必要な量処方していますが、家庭内や知人間などで、他人に処方された薬やその人自身に対する処方薬であっても別の疾患に対する受診時に処方されたものを使用する事があり得ます。また、市販の風邪薬や解熱鎮痛薬の一部には、アスピリンなどのサリチル酸系薬剤などの15歳未満の小児に対し原則的に使用すべきでない成分を含んだものもあります。別の疾患にかかったときに医療機関で処方された解熱剤の使用、特に家庭に残っているものを、処方された以外の疾患や他の方に使用しないよう指導することが大切です。
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7. |
インフルエンザの予防法について教えてください。 |
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予防の基本は、流行前にワクチン接種を受けることで、欧米では一般的な方法であり、本邦でも年々ワクチン接種率の上昇が見られてきています。インフルエンザワクチンは、罹患した場合の重症化防止に有効と報告されています(Q17)。
インフルエンザは、罹患している人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを、鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染します。インフルエンザが流行してきたら、特に高齢者や慢性疾患を持っている人や、疲労気味、睡眠不足の人は、罹患したとき重症化する可能性が高くなるので、人混みや繁華街への外出を控えることも効果があります。
空気が乾燥すると、インフルエンザに罹患しやすくなります。乾燥により咽頭粘膜のウイルス粒子に対する、物理的な防御機能が低下します。外出時にはマスクを利用したり、室内では加湿器などを使ったりして適度な湿度(50〜60%)を保ちましょう。常日ごろからバランスよく栄養をとることも大切です。外出時のマスクの利用や帰宅時のうがい、手洗いは、かぜの予防と併せておすすめします。また、インフルエンザが飛沫感染であることから、インフルエンザに罹患し、咳嗽などの症状のある方は特に、周囲への感染拡大を防止する意味から、マスクの着用が推奨されます。
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8. |
インフルエンザに罹患後、どのくらいの期間学校あるいは職場を休めばよいのでしょうか? |
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一般的にインフルエンザウイルスに感染し、発症後3〜7日間ウイルスを排出すると言われています。この期間に患者は感染力があるといえますが、排泄されるウイルス量は経過とともに減少し、排泄期間の長さには個人差があります。抗インフルエンザ薬の内服によって発熱期間は通常1〜2日間短縮され、ウイルス排泄量も減少されますが、解熱後の感染力が同じように短縮されるとは限りません。
学校保健法では、「解熱した後2日を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としていますが、「ただし、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めたときは、この限りではない」となっており、医師の裁量が認められています。また、職場復帰の目安については決まった規則や取り決めはありません。 インフルエンザ罹患後には体力等の低下もありますので、以上のような点を考慮の上、いずれの場合も無理をせず十分な体力の回復ののちに、復帰するのが妥当と考えられます。また、咳などの症状が続いている場合には、咳やくしゃみをする際にはハンカチやティッシュで口元を覆う、あるいはマスクをするなど、周囲への配慮(咳エチケット/ エチケットマスク)が望まれます。
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9. |
インフルエンザ患者の病室や衣類の管理はどのようにしたらよいでしょうか? |
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基本的にインフルエンザは飛沫感染であり、特別な条件下では飛沫核感染(空気感染)もあると言われています。飛沫は1〜2メートル以上は飛びませんし、患者がマスクをしていれば飛沫の発生は最小限に抑えられます。また、手指を介した接触感染もありますので、手洗いは重要です。しかし、狭い気密な部屋などでは、比較的長くウイルスが浮遊することもあり得る(飛沫核感染)ので、時々換気をすること、部屋の湿度を適度に保つことなどは意義があります。
インフルエンザウイルスには、ほとんどの消毒薬が有効です。また、十分な湿度があれば生存期間も短いので、通常の清掃で十分だと考えられますが、あきらかな目に見える呼吸器分泌物(痰やつばなど)による汚染がある場合には、通常の消毒薬により消毒しておくほうがよいでしょう。
インフルエンザを発症中に使用した衣服にはウイルスが付着していることが予想されますが、これまでの知見ではこれから感染を起こすことはまれだと考えられています。使用後は、通常の洗濯をして日なたに干しておけばウイルスの感染性は消失します。
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