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ジアルジア症は、原虫の1種であるランブル鞭毛虫(Giardia lamblia;Giardia intestinalis,Lamblia intestinalisと記されることもある)の感染によって起こる下痢性疾患である。ランブル鞭毛虫は世界的に広く分布するが、特に熱帯・亜熱帯地域の衛生環境が不良な地域に多く、患者・感染者の糞便中に排出された原虫の嚢子に汚染された水や食品を介して、あるいは手や器物を介してなどにより経口感染を起こす。途上国を中心とした地域への渡航者下痢症の主要な原因のひとつである。また最近は、男性同性愛者での性的接触による感染も注目されている。 感染しても無症状のことも多いが、2〜8週間の潜伏期ののちに発症すると、食欲不振、腹部不快感、下痢、腹痛などの症状を示す。下痢は非血性で、水様または泥状便であるが、脂肪性下痢を示すこともある。排便回数は1日数回〜20回以上とさまざまであり、長期化すると、吸収不良症候群により体重減少などを生ずることがある。発熱は多くの場合みられない。胆管や胆のうに侵入して、肝腫大、黄疸、肝機能異常、発熱などを生ずることがある。 ジアルジア症は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(1999年4月施行)に基づき、2003年11月4日までは4類感染症、11月5日以降は5類感染症として、診断したすべての医師に患者の届出(症状を有する者のみが対象で、無症状病原体保有者は届出対象外)が義務付けられ、その発生動向が把握されている。今回は1999年第13週(4月1日から)〜2006年第12週(3月26日まで)の報告例について解析する。この期間には、最近数年間の居住地が届出項目とされており、この情報を加えて集計・解析するためである(その後はこの項目がなくなった)。 <年次報告数、感染地域・居住地域・都道府県別報告数> 1999年4月1日〜2006年3月26日の約7年間に届け出られたジアルジア症は683例であり、感染地域別では、国内298例(43.6%)、国外271例(39.7%)、不明114例(16.7%)であった。年間報告数は毎年100例前後で推移しており、また例年、国内感染例と国外感染例がほぼ1:1の状況がみられた(図1)。 都道府県別では、東京都198例、神奈川県97例、大阪府76例、京都府45例、千葉県31例の順に多く、国内感染例に限ってみても同様であり、概して大都市圏からの報告が多かった(図2)。 居住地が国内の者(559例)に限ってみると、感染地域は国内297例(53.1%)、国外178例(31.8%)、不明84例(15.0%)であり、国内感染が半数以上を占めた。居住地を国外とする者(98例)の感染地域は、国外92例(94%)、不明6例(6%)であった。 感染症法のもとでの届出は、診断時一回のみを原則とされているが、死亡の報告はなかった。
<国内感染例>
<国外感染例>
まとめ:
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