軽 症 | 5,000 〜10,000単位 | (10 〜20ml) |
中 等 症 | 10,000〜20,000単位 | (20 〜40ml) |
重症又は悪性 | 20,000 〜50,000単位 | (40〜100ml) |
喉頭ジフテリア | 10,000〜30,000単位 | (20〜60ml) |
鼻ジフテリア | 5,000 〜8,000 単位 | (10〜16ml) |
(参 考)
裏面記載の馬血清過敏症試験を行い、反応陰性あるいは軽度の場合は、原液の1.Oml
を皮下に注射して30分間反応を観察し、異常のない場合には、所要量を注射する。
(1)筋肉内(皮下)又は静脈内に注射する場合には、ゆっくり時間をかけて注射すること。ショックは5〜10分の間に発現することが多いがその間は勿論、更に30分後まで血圧を測定する。著しい血圧の降下がおこったら、直ちにノルエピネフリン注射液0.5mlを注射する。
(2)点滴静注する場合は、原液を生理食塩液等で10〜20倍に希釈して1分間1〜2ml位の速さで注射し、血圧測定その他の観察をつづけること。
本剤の使用には、特に血清病に注意して、あらかしめ血清過敏症試験を行うこと。また血清病に備えて、ノルエピネフリン、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤、リンゲル液及び血圧計等の準備をしておくこと。
馬血清過敏症試験
本剤を添付の溶剤で溶解した後、更に生理食塩液で約10倍に希釈して試験に用いる。
1.皮内試験法
10
倍希釈液の0.1mlを皮内に注射して30分間注射局所の紅斑の発現及ぴ血圧降下等の全身症状の有無を観察する。
直径10mm程度の紅斑ならば軽度の過敏症とみなせるが、著しい血圧の降下、顔面蒼白、冷汗、虚脱、四肢末端の冷感、呼吸困難などの全身症状の発現は高度の過敏症である。
2.点眼試験法
10
倍希釈液の1滴を片眼に点胆し、20〜30分間観察して、眼球結膜の掻痒感及び充血の有無を調べる。充血は過敏症の兆候である。
上記の1、2いずれかの試験を行い、反応陰性あるいは軽度の場合は.原液の1.0mlを皮下に注射して30分同様に反応を観察し、異常の無い場合には、所要量を全量筋肉内(皮下)又は静脈内にゆっ<
り注射する。
なお、抗毒素治療既往歴又は高度の過敏症の者に本剤の使用は危険であるが、やむを得ず使用するときは、次のいわゆる除感作処置を行う。
除感作処置
生埋食塩液で100 〜1,000 倍(過敏症試験で特に強い症状を示した者には1,000
倍から始める)に希釈した抗毒素の0.1mlを皮内に注射し、30分間観察し、血圧、全身症状等に異常がなければ、次に10倍希釈液の0.1mlを皮内に注射し30分間異常がなければ原液の1.0mlを皮下に注射する。更に30分間観察し、異常がなければ最後に所要量全量を注射する。上記の除感作処置のいずれかの段階で異常が見られたら、その後1時間経過してから異常をおこした前の段階にもどして、以後反復して増量してい<。
強度の過敏症を示した場合には、ノルエピネフリン、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤等を注射して様子を見る。全身症状が見られなくなったら次の段階に移る。
血清病の沿療
1.アナフィラキシー様ショックをおこし、著明な虚脱、呼吸困難、血圧降下を示した場合には、直ちにノルエピネフリン注射液0.5mlを皮下又は静脈内に注射し、症状によっては更に追加使用する。治療を速やかに行うほど予後は良好である。
軽度の血清病は多<
の場合予後良好であり、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤等の投与を行う。
2.抗毒素注射の5〜10日後に遅延性の血清病が発現することがある。これは数日で消失するが急性腎炎を伴うこともある。
本病が発現して、全身の皮膚掻痒感のため睡眠できないときは、抗ヒスタミン剤、ノルエピネフリン及び睡眠剤等の投与が望ましい。腎障害にはその治療を行う。
なお、血清病は一度治癒した後、再発することもある。