国立感染症研究所 感染症情報センター
Go to English Page
ホーム疾患別情報サーベイランス各種情報
高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ−新たな国々へのウイルスの拡散

    2006年2月21日 WHO(原文


ウイルスの急速な地理的拡散

2月18日に報告されたインドでの鳥インフルエンザ発生は、野鳥および土着の鳥におけるウイルスの急速な地理的拡散に関する最近のパターンの一部である。インドは今年2月に入って鳥におけるH5N1感染の初発例を報告した13の国々のうちの一つである(13か国とは、報告順にイラク、ナイジェリア、アゼルバイジャン、ブルガリア、ギリシャ、イタリア、スロベニア、イラン、オーストリア、ドイツ、エジプト、インド、フランスである)。

2月20日にマレーシアは、1年以上の清浄と考えられる期間を経て家禽での新たな集団発生を報告した。

これらの最近感染が発生した国々の状況は、互いに大きく異なっている。良好な獣医学的サーベイランスをもつほとんどのヨーロッパの国々は、少数の野生の鳥においてのみウイルスを検知しており、土着の鳥へ拡散する兆候は現在のところない。

アゼルバイジャンでは、ウイルスの検知が土着の鳥の大量死と一致している。エジプトでは、土着の鳥における集団発生が10の行政区域で確認され、外来種動物園の鳥においても死亡が報告されている。イラクでは、同国初のヒト症例を確認したのちに初めて鳥におけるウイルスの存在が発見された。

ナイジェリアはインドと同様に初発例が大規模な商業的農場で検知されたが、そういった場所では疾患が明確になりやすく集団発生を見逃すことは少ない。

イラクを除いて、2月中に新たに鳥インフルエンザ感染のあった国でのヒト症例の報告はない。イラクは2人のヒト症例を報告しており、いずれも死亡している。その他数名の患者から採取された検体が現在検査されている。

ヒトの健康に関しては、過去2年間にわたり様々な地域で得られた経験によると、ウイルスが小規模な裏庭家禽に定着した場合にヒト症例が発生する危険性が最も高い。なぜならそのような状況では密接なヒトとの接触、曝露、そして感染が発生する機会を継続的に提供するからである。

現在入手可能なすべての証拠によると、ウイルスは家禽からヒトへと容易には拡散しない。現在までに、家禽農場従業員・殺処分員・獣医師ではごく少数の症例しか検知されていない。ほとんどすべてのヒト症例が、食用のために家禽を殺処分・羽むしり・食肉処理・調理する際に、病気の家禽への密接な接触を持っている。

家禽において鳥インフルエンザの発生が知られている家においてすら、適切に調理した鶏肉や卵を消費したことに関連する症例は発生していない。

(2006/2/22 IDSC 掲載)

 * 情報は日々更新されています。各ページごとにブラウザの「再読み込み」「更新」ボタンを押して最新の情報をごらんください。

Copyright ©2004 Infectious Disease Surveillance Center All Rights Reserved.