国立感染症研究所 感染症情報センター
Go to English Page
ホーム疾患別情報サーベイランス各種情報
高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ:ナイジェリアにおける状況

    2006年2月8日 WHO(原文


ナイジェリア北部の家禽においてH5N1亜型鳥インフルエンザが確認されたことは、このウイルスのさらなる地理的な広がりを示した。これまで得られた証拠は、このウイルスは鳥からヒトには簡単には広がらないことを示しているが、状況の注意深い監視が今後必要である。

他の国での流行の経験によると、H5N1ウイルスは非常に早く広がり、家禽の間で定着する力がある。このウイルスがまれながら重症の疾患を人でおこすことはこれまでの記録で十分に示されている。

現時点では、確認された唯一のH5N1亜型鳥インフルエンザの集団発生は、ナイジェリア北部のKaduna州にある大規模な商業農場に限定されており、そこではバタリー・ケージで何千羽ものニワトリが飼育されていた。集団発生が(ほぼ1ヶ月前に始まっている)、この農場から家庭で飼っている鳥に影響するまで広がっているかどうかを確認するために、調査が緊急に必要である。隣接しているKano州での家禽の死亡も報告されているが、その原因は確認されていない。

公衆衛生上現在すぐに必要なことは、ヒト感染の機会を減少させることである。アジアおよびその他の地域におけるヒト症例の調査によると、病鳥または死鳥との密接な接触が、ヒトのウイルス曝露の最も重要な源である。

ナイジェリアでは、他のアフリカ地域のように、殆どの村人は放し飼いの家禽を飼い、収入源と食料源としている。ヒトと家禽の密な接触はきわめて一般的に見られる。

もしもナイジェリアで、ウイルスが家庭の鳥にまで広がった場合、病鳥をと殺し、羽をむしり、切り刻み、食用に準備するなどのハイリスク行動をやめることを人々に警告するために、広報キャンペーンが必要である。

WHOは、ナイジェリアから、評価チームや必須の物資・機材など援助の要請があれば、対応する準備ができている。ジンバブエのハラレにあるWHOの地域事務局の感染症担当官は、現状評価をし、対応を計画し、他のアフリカ諸国へのリスクの可能性を評価するための緊急会議を本日開いた。集団発生調査の経験の深い専門家が待機している。

ナイジェリアでの集団発生の源に関する明確な情報は現時点では得られていないが、同国は中央アジアからの渡り鳥の移動経路の途中にあることが知られている。

ナイジェリアの集団発生の原因ウイルスの全遺伝子配列に関する情報は、今週後半にわかる予定である。この情報により、他の地域でヒト感染を起こしたウイルスと比較することができ、ヒト感染のリスクを評価する手助けになる。遺伝子配列の情報は集団発生の源を明らかにする可能性もある。

(2006/2/10 IDSC 掲載)

 * 情報は日々更新されています。各ページごとにブラウザの「再読み込み」「更新」ボタンを押して最新の情報をごらんください。

Copyright ©2004 Infectious Disease Surveillance Center All Rights Reserved.