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高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ:イラクにおける状況−更新2

    2006年2月7日 WHO(原文


FAOからの獣医学専門家を含む、WHOの率いる国際的な専門家チームが、1月30日にH5N1亜型鳥インフルエンザのヒト感染死亡例が確認された、北部イラクのErbil およびSulaimaniyah地域に入っている。この地域では、家禽の間での高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザの集団発生が確認され2月2日に報告されている。

チームは、同国政府の保健省、農業省の担当者と会見し、病院、検査施設、および動物の間での状況を評価している。すぐにでも必要な援助のリストができている。

政府担当者は、抗ウイルス剤を含む緊急物資と機材の必要があることを表明しており、これらはすでに同国に到着してきている。カイロのWHO地域事務局には、調整と後方支援をおこなうための、24時間緊急オペレーションセンターが設置された。

確診のための患者検体の送付は容易ではない。検体のWHOリファレンス研究施設への送付を迅速にし、また当該地域の検査能力を強化する方法が現在探られている。チームは、訪問地域およびイラクの国内研究施設におけるバイオセーフティを改善する必要があると考えている。

専門家チームの訪問地では、家禽の集中的な殺処分が行われている。この努力の標的がうまくあわせられるように、家禽に対する診断能力の改善が求められている。獣医学研究施設の診断能力を強化し、サーベイランスを改善するためのトレーニングが現在行われている。診断用試薬を含む必須物資のニーズも満たされつつある。

この地域では、130万羽の家禽が、主に個々の家庭で飼育されており、飼い主は家禽に収入と食料を頼っている。これらの家庭の困窮を少なくするために、補償金制度を作ることが議論されている。

チームによると、感染可能性のあるヒト症例の発見と管理を行い、検体を集め、接触者を監視するための良好なシステムが現在運営されている。隔離病棟の改善も計画されている。個人防御と感染制御が適切に行われるように、病院職員を対象とした集中トレーニングが準備されている。

観察のために入院していた2人の患者が退院したが、その状態は現地の保健チームが継続してモニターしている。地域の病院で、現在7人の患者が隔離され治療されている。これらの患者の殆どが、病鳥との接触歴を報告している。

H5N1亜型ウイルスの感染が確診された死亡例に加えて、感染可能性が調査されている患者が2名死亡している。そのうちの1人(確診例の、39歳のおじ)は、現地ラボにおけるH5N1の検査で陽性になっているが、WHOのリファレンス研究施設での検査はまだ確定していない。

H5N1亜型ウイルスの感染可能性のあるイラク南部の症例が、保健省よりWHOに報告された。症例は13歳のOmara地域の男の子であり、2月1日に発症し、重症肺炎で2月5日に入院し、その日に亡くなっている。この地域では家禽の死亡は報告されていないが、患者の家族の飼っていた鳥が発症のころに死んでいたと報告されている。

男の子からの検体は採取され、保健省とイラクの疾病対策センターからのチームが調査のために明日Omara地域に行く予定である。

(2006/2/9 IDSC 掲載)

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