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高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ:トルコにおける状況−更新2

    2006年1月9日 WHO(原文


トルコで行なわれた実験室検査により、さらに10人の患者から採取された検体からH5亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出された。これらの症例のうち5例はトルコ保健省により昨日公表され、もう5例は本日公表された。ほとんどの患者は小児で、全員が入院し治療と評価を受けている。

日曜日に公表された5人の患者のうち3人はアンカラ県在住であり、5歳と2歳の兄弟、そして65歳の男性である。3人の患者は全てアンカラの病院に入院している。もう2例は9歳の女の子とその3歳の弟であり、Agri県のDogubeyazit地域に住んでおり、Van市の病院に入院している。

本日公表された5例は、トルコ北中部の黒海沿岸のKastamonu、Corum、Samsun県と、Van県在住である。

これらの症例により、トルコで実験室検査により確認されたトルコの症例総数は14になる。それらの患者のうち2人が死亡している。WHOはH5亜型に関する外部のリファレンス研究施設での更なる確認ののち、それらの数を累積症例総数に加える。

アンカラにあるトルコ国立インフルエンザセンターにおける実験室検査の質は高い。先週そこで行なわれた検査結果は、さらなる分析のために検体が送付されたイギリスのWHO協力研究施設で完全に確認された。新たに公表された症例に関する検査結果が、さらなる分析のために検体が送られるイギリスの研究施設で、おそらく確認されるであろうとWHOは考えている。H5N1亜型はH5亜型の中でヒトに感染することが知られている唯一の株である。鳥におけるH5N1亜型の集団発生が確認された際には、鳥インフルエンザのヒト症例は同じウイルス株が原因であることが予測される。

WHOチームの第一陣はトルコ保健省のメンバーと一緒に昨日夕方Van県に到着した。チームは現在、疫学的状況を調査し、リスク因子と制御対策を評価し、追加的な器具や資材の必要性があるかどうかに関して地域当局と協議している。チームはまた、およそ38人の人々が治療を受け、H5N1亜型感染の可能性が評価されているVan市の病院において、患者の評価を行なう。

これまでの調査によれば、ウイルスはその感染伝播能力を増加させたり、ヒトからヒトへ広がっていたりするという証拠は何一つ見つかっていない。調査されているほとんどの人々は小児であり、しばしば同一の家族であり、ほとんどすべてが死鳥あるいは病鳥との関連が裏付けられている。

家禽における集団発生が今やトルコのいくつかの場所で発生していることがわかっている。最近、農業省はトルコの81県のうち10県で鳥でのH5N1亜型の集団発生を確認した。広範囲の殺処分が現在進行中であり、その他いくつかの集団発生が疑われる事例が調査中である。

保健省との合意により、今後2−3日中に疫学者2名と実験室診断の専門家2名がWHOの第一陣に加わる。現状の疾患を検知する意識の高さとトルコの数カ所で家禽における集団発生があることを考えると、曝露の可能性に関係する人の数は増加することが予想される。そのような追加的支援は、疫学的状況の理解を促進し、感染の可能性を調査されている人々の感染を迅速に確認あるいは除外するための容量を増加することになる。

(2006/1/10 IDSC 掲載)

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